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乳幼児の健康・発育・生活習慣

虫垂炎

小腸が大腸に移行する部分を盲腸といいますが、そこから腸の壁が筒状に数センチ飛び出しています。この行き止まりの飛び出した腸管を虫垂と呼びます。
人では虫垂の働きはよく分かりませんが、ウサギなどの草食動物では消化を助ける機能があります。細いために、いったん虫垂の粘膜に細菌感染が起こると、腫れのために血流が悪くなり感染が広がります。これが虫垂炎です。
最初は上腹部の痛みなどがありますが、そのうちに右下腹部の痛み、圧痛、微熱などの症状がでます。
血液検査では白血球の増加がみられます。初期のうちは抗生物質で治すこともできますが、ある程度以上化膿が進むと、虫垂を切除する手術が必要になります。

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腸重積症

腸内の食物の移動に伴って、大腸の壁が内側に引っ張られ、きんちゃくのように大腸の中に大腸が入り込んでしまう状態をいいます。ほぼ乳児期に限っておこります。
症状は、急に激しく泣き、しばらくすると泣きやみ、また激しく泣くという繰り返しと、嘔吐、ジャム状の血便です。泣きの間隔は次第に短くなり、ぐったりしてきます。
重積状態が長く続くと、腸が壊死を起こし、開腹手術が必要になりますが、発症初期なら、肛門から空気を送り込んで、きんちゃく状態を解除することができます。冬に多く、腸管ウイルス感染による腸間膜のリンパ節の腫れが、発症に関与している場合があります。

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手足口病

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなど数種類のウイルスが手足口病の原因として知られています。症状は、口の中の小さな粘膜の発疹、手のひら、足底、臀部のやや盛り上がった赤い紅斑で、口の中の発疹以外はかゆみや痛みはありません。発熱も通常みられず、全身状態も良好です。

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てんかん

脳内の神経細胞が、突然異常興奮状態になり、そのために体の一部や全身のけいれんや意識障害が起こるものです。
脳炎や髄膜炎、脳出血などの脳疾患に引き続いて起こるもの(症候性てんかん)と、そうした原因のないもの(特発性てんかん)に分かれますが、子どもでは後者が圧倒的に多くなっています。
けいれんの頻度は一日に何十回も繰り返すものから、数年に1度というものまでさまざまです。
脳波検査を行うと、てんかん波と呼ばれる異常な波が観察されます。
抗てんかん薬の服用で、7割くらいの患者さんで発作の軽快が得られます。

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伝染性紅斑(リンゴ病)

顔や手足に赤い叩かれたあとの赤みのような発疹のでるウイルス感染症です。 俗に「リンゴ病」と呼ばれます。パルボウイルスの感染が原因です。 全身症状は、微熱とまれに関節の腫れが知られています。 治療薬はなく、予防接種もありません。 全身状態はよく、特別な治療なしで自然治癒します。 妊婦さんが感染すると胎児に影響がでることがあるので、妊婦さんとの接触は避けるようにします。

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伝染性単核症

エプスタインバーウイルス(EBウイルス)による全身の発熱、発疹性疾患です。
高熱、全身のリンパ節肥大、脾臓や肝臓の肥大、のどの痛み、扁桃肥大、全身の発疹など多彩な症状を示します。血液検査で、単核球と呼ばれる白血球がきわめてはっきりと増えるので、この診断名があたえられました。抗生物質は無効で、自然治癒を待つしかありません。
ペニシリン系の抗生物質を服用すると、全身に強い薬疹ができることが知られています。

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伝染性膿か疹(とびひ)

伝染性膿か疹(とびひ)とは、黄色ブドウ球菌による皮膚の感染症です。感染を受けた部位にはすぐにつぶれる水疱ができ、赤くただれて滲出液がでます。痛みはありませんがかゆみが強く、そこを引っかいた手で他の部分の皮膚にさわると、そこに新しい病巣ができます。滲出液がつくと他の子どもにも広がります。このように別の場所や他人に伝染しやすいので、「とびひ」ともよばれます。抗生物質の軟膏と内服薬で治療します。

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突発性発疹症

ヘルペスウイルス6型あるいは7型による全身感染症。乳児期に最初に出る高熱は、突発性発疹症による場合が多いものです。
症状は、軽い鼻水や下痢と3~5日続く発熱です。のどの粘膜に特徴ある炎症が見られることがあり、それが診断の助けになります。
解熱後、全身に細かい赤い発疹が出現するのが特徴で、診断を確定することができます。
高熱のわりに重症感はなく、食欲や機嫌もよいことが多く、この発熱で、初めて熱性けいれんを起こす乳幼児も多いようです。

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熱性けいれん

かぜなどのウイルス感染症で高熱がでたときに、短時間の全身けいれんを起こす、乳幼児期に特有な神経の病気です。
15人に1人くらいの子どもが熱性けいれんを経験するといわれており、子どものけいれんの原因で一番多いものです。一生に1回しかけいれんを起こさない子どももいますが、3分の1は、2回以上起こします。
脳波検査などでも異常はなく、学齢期になるまでに自然に治ってしまいます。熱性けいれんになりやすい体質は遺伝します。繰り返してけいれんを起こす場合には、抗けいれん薬の座薬で予防することができます。

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脳腫瘍

脳内の神経細胞に生じた腫瘍細胞が急速に増殖し、そのために、
(1)腫瘍化した部分の脳機能の低下・消失
(2)腫瘍の増大による脳の圧迫による症状がでます。
小児では小脳や脳幹部の腫瘍が多く、ふらつき(失調)、眼球運動の異常など、小脳、脳幹部の機能障害が最初の症状としておこる場合があります。
腫瘍の拡大による症状としては、頭痛、嘔吐があります。けいれんが起こることもあります。
治療は腫瘍の外科的な摘出、切除ですが、腫瘍の場所や種類によっては抗がん剤による化学療法が行われます。

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肺炎

肺は、血液のガス交換が行われる肺胞と呼ばれる小さな部屋が、多数集まってできている臓器ですが、この多数の肺胞内に細菌が増殖すると肺炎になります。
肺胞だけでなく、気管支の粘膜にも炎症がおよびます。
症状は多量の痰を伴う激しい咳と高熱です。感染による炎症が肺の表面にまで及ぶと、胸膜(肋膜)に水がたまり、胸の痛みを伴う胸膜炎(肋膜炎)を起こします。水分で満たされた肺胞に空気が入るときの雑音を、聴診器で聞くことで診断ができます。
かぜをこじらせて肺炎になるとよく言われますが、かぜはウイルス感染、肺炎は大部分が細菌感染ですので、異なった病気です。

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麻疹(はしか)

麻疹ウイルスによる重い感染症です。

症状は前後2期に分けられます。1期(前期)は、カゼ症候群によく似ており、咳と鼻水、結膜炎と中程度(38度くらい)の発熱がおこります。3~4日でいったん熱は少し下がりますが、その後急速に高熱となり(II期・後期)、同時に赤く細かい発疹が全身に広がります。 高熱と全身倦怠感のためにぐったりします。また光をまぶしがるのも麻疹の特徴の一つです。ウイルス感染が肺に及ぶと、呼吸困難のために命にかかわることもあります。数日高熱が続いて後に解熱しますが、発疹は癒合し、治った後に色素沈着を残します。

予防接種で予防できますので、必ず予防接種を済ませましょう。

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水いぼ

伝染性軟属腫(なんぞくしゅ)と呼ばれ、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚に感染することによって起こります。
最初は、けしつぶ大の、やや赤い皮膚の盛り上がりですが、しだいに大きくなり、直径数ミリの円筒状の盛り上がった丘疹になります。丘疹の頂上は少しくぼんでいます。
掻痒感があり、掻き壊すと出血し、それが他の皮膚や他人の皮膚につくと、そこにあらたな感染がおこります。
円筒状の皮疹を強く圧迫すると内部からウイルスの多数入った白い粥状の分泌物がでます。

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肥厚性幽門狭窄症

乳児期によく見られる疾患です。 胃から十二指腸に出るところを幽門といい、胃の収縮によって半消化状態の食物が十二指腸に押し出されていきます。 この部分にある平滑筋が異常に厚く発達して、幽門が狭くなり、胃内の食物が先に送られなくなってしまう疾患です。 胃が収縮すると、行き場のない食物と胃液が逆流し、口から勢いよく噴水のように出ます。ミルクが飲めなくなり、やせてくるとともに、胃液の中の酸が失われるために、血液がアルカリ性にかたむきます。 薬で平滑筋を多少は緩めることができ、それで治る場合もありますが、手術が必要になることもあります。 男児に多く、生後数か月以内に発症するのが特徴です。

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皮膚真菌感染症(カンジダ、白癬菌感染症)

皮膚に真菌(かび)の一種であるカンジダ菌や白癬菌が繁殖するものです。
カンジダによる皮膚炎はおむつかぶれと見分けのつきにくい、湿疹状の発疹です。また、乳児では頬の内側などの口の中の粘膜にミルクのかすのような白い粘膜疹のできる鵞口創(がこうそう)を起こします。
白癬菌は、皮膚だけでなく頭髪や爪にも感染します。足の指の間の皮がむけて、じくじくしてかゆい水虫も白癬菌による真菌感染症のひとつです。
抗真菌剤の入った軟膏やクリームの塗布を行いますが、内服も必要なことがあります。

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