はじめに
HELLO!
1980年に2人の娘(3歳と1歳)と一緒にアメリカから日本にやって来た青い目のテリーです!
子育て、食べ物、洋服、生活、季節、習慣、文化・・・日本とアメリカでは違うことばかり!
だけど、いろいろな日本とアメリカの違いのおかげで、とっても面白くて楽しい子育てができました!
外国人のママが少なかった当時の“青い目の子育て奮闘記”をどうぞお楽しみください!
プロフィール
Teri Suzanne テリー・スザーン
元「こどもの城」国際交流部長。作家。切り紙のイラストレーター。声優。日本や韓国、香港、アメリカでの講演や、NHKの番組、青山円形劇場への出演などもこなす。子どものためのバイリンガル教育教材コンサルタントとして『えほんや』『エーゴ旅行社』(iTunesアプリ)の英訳と声優を担当。
2016 年 心の年
Happy New Year!
新年明けましておめでとうございます!
これから、すばらしい親子の新しい冒険や発見、経験の毎日が始まります。親にとって、大変幸せな思い出になるのではないでしょうか。前向きな気持ちでお子さんといっしょに一歩 一歩歩いたり、走ったり、遊んだり、笑ったり、ドキドキしたり…。すばらしい2016年になりますように!道はどんどん拓いていくことでしょう。
ここでお伝えしているのは、30歳になる私の娘が、日本で育ったころの思い出です。記事を書くときには娘の昔の写真や、まだ私の心と頭の中に残っていることを引き出し、思い出しながら書いています。
もうすぐ90歳になる病気の母がアメリカに住んでいるため、現在私は日本とアメリカの間を行ったり来たりしています。いろいろな町の保育園や幼稚園、学校、ショッピングモール、レストランなどを訪ねています。
自分が娘たちを育てたときと現在では、状況や価値観がだいぶ変わりました。それぞれの時代の流れはもちろん違いますが、人間のもとは基本的には同じです。また、親の子育てのノウハウは、自分の子どものころの親子関係が基本となります。
アメリカ人を親として、アメリカで生まれた私は、当然ながら小さいころからアメリカの習慣やしつけ、マナーなどの考え方の影響が強いです。しかし、結婚して7年間アメリカに住み、その後東京へ引っ越ししたため、日本人である主人やおじいちゃん、おばあちゃんと、その地で新しい子育ての仕方、考え方と出会いました。子育ての仕方は違っても、どんな親にとっても子どもは宝物。子どもを愛していますし、子どもを守る気持ちは、とても強いものです。
今は大変な時代です。道を歩くと、歩きながら携帯電話を操作している人が本当に多い! きっと何回もぶつかりそうになったことでしょう。レストランへ行くと、親子や友達、家族が食事を待っている間、お互いに楽しい会話をするよりも、顔と目は携帯に向かっています。公園でも同じです。
このような状況は、親子にとってとても恐ろしいことと思います。子どもは親の目、親の顔、親の心から学びます。携帯から学ぶことはできません。それは現在の親の一番大事なチャレンジであり、お子さんが小さくても、いえ小さいからこそ、親子とのコミニュケーションは本当に大切なんです。
娘を育てた時、失敗はたくさんありました。失敗は一番大事な“先生”です。失敗のおかげで、私たちはよい親になることができます。親になるための“学校”は、子どもといっしょに過ごす人生であり、子ども自体、重要な“先生”です。子どもから勉強できることは、本当に山ほどあるのですから。
そこで、私自身の経験から、一番大切であり、役立った「子育ての魔法」を紹介します。魔法? そうです、マジックのようにこの大切なことをやってみれば、子どもの人生は明るくなります。そして、親子もお互いに幸せになれると思います。
A KIND HEART
親切な心
Be gentle. Be kind. 優しく、親切な心を持つこと。
親にやさしい気持ちがあれば、子どもは自然にその気持ちや行動を覚えます。世の中の人たちがもっと優しく親切になったら、街や国、地球ももっともっと優しくなれることでしょう。きょうだいやお年寄り、お店の人、先生、動物などに対し、親切にすることは大事です。子どもが友達やきょうだいに親切な行動をしたら、ぜひそれを認め、ほめてあげてください。家に金魚やうさぎ、猫、犬、鳥などの生き物がいると、子どもは優しい心を自然に覚えます。動物などを買うことが難しいなら、植物の世話をする体験もよいと思います。
最近はデジタルのゲームが多く、小さな子どもはリアリティを理解することができません。本当の生きる/死ぬというライフサイクルを理解し、そのことに感謝するために、生き物や植物のケアをすることはとても大切なことなのです。
A THANKFUL HEART
感謝する心
Be thankful. 感謝することはあたりまえであり、とても重要なことです。
魔法の言葉(Magic Words)をどんどん使えば、しだいに自然な表現になっていきます。親が、子どもが小さい時からこの言葉を使えば、それを聞いた子どもは自然な言葉だと思います。
そのMagic Wordsは PleaseとThank you。「お願いします」と「ありがとう」です。買い物へ行く時、郵便局、店、家、など、人に対して感謝をすることは必要であり大切なこと。ものをもらった時には必ず、感謝と一言。たとえば、「ありがとう!」に一言添えて「りんごが大好き!」。
感謝をすれば相手もうれしくなって、顔が光って喜びます(魔法をかけたから!)それから自分もうれしくなります。お互いにハッピーな気分になり、最高です!
赤ちゃんがまだしゃべれなくても大丈! ちゃんと耳で聞いて覚えていますよ!
A LISTENING HEART
聞く心
Look. Listen. 小さいときから子どもと会話する際、目と目、心と心を向かい合わせて話を聞くことも大事です。
携帯電話はわきに置いて、こどもの話を聞きましょう。子どもの顔を見て集中してください。子どもはいっぱい言いたいことがあると思います。赤ちゃんも同じです。言葉はうまく出てこなくても、目で、いっぱい話しかけています。小さいときから子どもの話を聞く癖を作っておくといいですね。
A LOVING HEART
愛する心
Hug your child. Hold your child.抱くことも大事。
親子のスキンシップはとても必要なことです。ママの抱き方、パパの抱き方、おじいちゃんの抱き方、おばあちゃんの抱き方、きょうだいの抱き方、みんなの抱き方はそれぞれ違いますが、赤ちゃんや小さい子は、抱っこをされることによって愛を感じます。保育園や幼稚園、学校へ通うような歳になっても、抱くことやさわることは大事です。
抱いてあげることで、あなたの優しい愛を感じられます。抱くことが難しいのであれば、優しい言葉で子どもを抱きましょう。
A PATIENT HEART
忍耐な心
Be patient.忍耐力は大事。あせらないことです。
子どもは小さいころ、親のために本当に頑張っています。ただ、からだが小さいため、できることとできないことがあります。できないことがあれば、できるように優しい心と言葉でそのやり方を教えてあげてください。道を渡るときに、サッサと子どもの前を歩いて行かないでください! 子どもの足は小さいですし、道を渡るとき、親には子どもを守る義務があります。しっかりと手をつないで、いっしょに渡りましょう。道を歩く際も、子どもが車や自転車にぶつからないように気をつけましょう。
A HELPFUL HEART
手伝う心
Helpful heart 幼児に“手伝う心”を教えましょう。
男の子も女の子も、小さいときから少しずつでもいいので手伝う機会を与えてください。手伝いすることを覚えると、大人になったときに自分からボランティアすることが自然になるでしょう。皿洗いや洗濯、掃除など、簡単にできることをどんどんいっしょにさせてください。そのときには必ず“ありがとう”の一言も忘れずに! キレイに洗ってくれたね!すごい!
A HUMBLE HEART
素直な心
責任はとても大事なことです。そこで、素直な心humble heartも大事です。自分が間違ったら、その間違いを自分が認めると一番良いです。その時に“すみません”や“ごめんなさい”I’m sorryの言葉はとても役立つです。友達にぶつかったら、他抱いたら、優しくない言葉を使ったら、悪いことをしたら、責任を持って、勇気を持って、正直な気持ちで謝ることは大事。兄弟同士、友達同士など、やっぱり“ごめんなさい”は大切。心の傷や痛みをあやすことが必要ですから、小さい時からその謝ることを教えましょう。また、親が子供に対して、約束を破る、親切じゃないことなどを言われたら、親はお子供に謝るべきです。親はモデルです重要なモデルです。親は素直に謝ると子供がその謝る心も覚えてくるでしょう。
A LAUGHING HEART
笑う心
親はけっこう忙しいものです。仕事などの悩みからいろいろなストレスを感じることもいっぱいあります。あまりにもたくさんあるため、ニコニコすることや笑うこと、laughing heartを忘れることが多いです。ぜひ、今年からお子さんと、家族といっしょに毎日いっぱい笑ってください。毎日必ず笑って、お子さんに笑顔を見せてあげてください。ビタミンと同じように笑顔や笑いがあれば、気持ちやからだが楽になりますよ。
最近は昔よりも共働きのお父さんお母さんが増えています。お子さんを保育園や幼稚園、デイケアセンターなどにお願いするときに注意することがあります。
【その1】
保育園や幼稚園、デイケアセンターなどは、親が働くことができるよう、決まった時間の中で子どもを見守ってくれる施設です。親の代わりではありません。子どもにとって一番必要なのは親であり、基本的な社会性、マナーなどを覚えさせる責任があるのは親です。お子さんを預けることができるのはあたりまえではなく、本当に毎日、贈り物をいただくようなもの。ですから、先生にも感謝するべきだと思います。
日本の保育園や幼稚園の先生のお給料は、働いている時間と責任と比べると、本当に少ないと思います。朝早くから夜遅くまで、子どもたちのため、親が安心して働くために先生が頑張ってくれています。毎日毎日、あなたのお子さんやその他のお子さんを必死な心で見ているのです。大変な仕事だと思います。
最近よく耳にする、保育園の先生たちが困っていることがあります。先生が保育園に起こったことや健康のこと、子どもがやったことなどを親に説明しますが、親は先生の話を聞くより、すぐインターネットで検索するのだそうです。インターネットはその子の面倒を見ていないのに! お子さんのことを一番理解し、よくわかっているのは、子どもの近くにいる先生ではないでしょうか?
【その2】
保育園や幼稚園へお子さんを連れて行く前には、必ず朝ごはんを食べさせましょう! 親や他の家族は忙しいため、朝ごはんはできるだけいっしょに食べるようにしましょう。そうすると、よい一日が始まります。
親の心
金婚式(50年目の結婚記念日)のために1994年に初めて日本に来た、私の両親です。
子育ての知識をいろいろと教えてくれました。親のおかげで私たちは親になるのです。
きょうだい心
いつまでもきょうだいは仲良く!
大きくなっても子どもたちの笑顔の写真を見ると、心があったまります!
遊び心
大きくなった娘たちといっしょにオーストラリアのシドニーハーバーブリッジに登りました!
ドキドキしましたが本当に楽しかったです。
最後に。現在、あなたのお子さんは赤ちゃんでしょうか、幼児でしょうか。どちらにしてもできるだけ毎日、子どものために時間を作ってあげてください。たとえ働いていても、10分でも20分でも時間を探して、あなたの100%の注意をお子さんにあげてください。
お子さんはすぐに大きくなります。その時間は戻りません。大切にしてください。携帯を見る時間があるなら、お子さんと向かう時間も作れるはず。子どもたちにとって一番の宝物は親です。あなたは必要なんです。
今のデジタル時代はけっこう冷たい時代ですが、心を育てていけば、世の中はだんだんと、もっともっと暖かくなるでしょう。
冷たい時代に負けないように、2016年は心の年になりますように。みんなで頑張りましょうね!