今年の4月に返戻率(=貯蓄性)が下がったことから、赤ちゃんがいるご家庭でも加入を迷われるご家庭がふえているのが学資保険です。そんな学資保険に、またまた残念なニュースがあります。現在、返戻率ナンバーワンのソニー生命の学資保険が、11月2日以降の契約から、保険料を改定(=値上げ)することになっていることです。

言い換えれば、この記事がアップされてすぐに読んでいただいた方には、有利な条件で加入できるラストチャンスといえるかもしれません。そこで学資保険の現状をご紹介しながら、保険料の改定情報をお知らせします。

18歳などから「毎年、学資年金をもらえる」のが一般的な仕組み

学資保険については、このコーナーで何回かとり上げているので、簡単におさらいをします。お子さんが小さいうちに加入して、コツコツと保険料を支払うことで、大学進学にかかる学費の準備をおこなうのが、学資保険の主な役割です。以前の学資保険は、17歳や18歳などで200万円や300万円などのまとまった学資金を受け取れる形が主流でしたが、現在は18歳などの入学時から在学中の毎年、学資年金を受け取れるタイプが中心です。例えば、18歳、19歳、20歳、21歳の4年間、毎年50万円の学資年金が受け取れる、という仕組みです。

また学資保険には、「保険」という言葉が付いており、これは契約者が亡くなったり、高度障害状態になった場合には、それ以降の保険料の支払いが免除され、保障は継続していく保障性を持ち合わせていることを意味します。

今なら116%程度の返戻率の契約もあるが…

さて、冒頭でもご紹介した通り、今年の4月に学資保険の返戻率が下がりました。これは返戻率に影響のある「予定利率」が、4月に引き下げられたためです。予定利率は、契約者が支払う保険料のうち、運用に回される分の保険料に対して、適用される利率をさします。学資保険の場合、契約が終了するまで予定利率が変わらないため、予定利率が下がると返戻率も下がってしまうわけです。

4月の引き下げで、返戻率が100%を割り込む学資保険が増えてしまいました。返戻率が100%を割り込むと、支払った保険料より少ない学資年金しかもらえません。各社が返戻率を下げる中で、今回取り上げるソニー生命の学資保険は、返戻率が高い状態に据え置かれています。契約内容にもよりますが、現在でも返戻率が110%を超えるプランがたくさんあります。

たとえば35歳の男性が、学資保険(無配当)Ⅲ型、22歳満期、基準学資金40万円、保険料払い込み期間10歳までのプランに加入した場合、11月1日までの契約では「115.8%」の返戻率が得られます。同じプランで契約者が35歳女性の場合は、「116.0%」です。この返戻率が11月2日以降の契約になると、男性で「107.0%」、女性では「107.2%」に下がります。それぞれ9%近い引き下げです。ですが、11月1日までに契約ができれば、116%前後の返戻率のプランに入れるわけです。

ただし1点、注意点があります。ソニー生命の学資保険に入りたい場合、学資保険以外の保険契約をすすめられる可能性があること。ライフプランナーにとって、学資保険はドアノック商品(契約者と出会うためのきっかけづくりの商品)ともいえます。そのため学資保険だけを販売してもメリットが少ないことから、単独での契約は難しいケースもあることは知っておいたほうがよいでしょう。