今月ご紹介するのは、旅行積立。毎月コツコツ積立てたり、一時払いでまとまったお金を支払うと、「サービス額」という名前の利息(金融商品の利息に当たる金額。以下も同じ)が付いた旅行券が受け取れる仕組みです。旅行券方式ではなく、専用の口座で管理するタイプもあります。

旅行積立のメリットは、なんといっても、サービス額の良さ。利率に置き換えると、1~3%程度の利息が付くのが一般的です。定期預金の利率が0.01%、旅行積立が1%だとすると、旅行積立は定期預金の100倍になる計算。しかも、利息に税金がかからない点でも有利です。旅行積立は、大手の旅行会社やJAL、ANAといった航空会社で扱っています。

ハワイ旅行専用プランは利率が上乗せに

さて、旅行積立についてはマイナス金利の影響もあって、サービス額を引き下げる動きが出ています。たとえば、大手旅行会社JTBの旅行積立「たびたびバンク」は、10月からサービス額を引き下げたり、新規募集を停止したプランがあります。その一方で10月3日からは、先着6000名限定、インターネット申し込み限定の「JTBハワイ積立」の取り扱いを始めました。申込期限は12月20日ですが、6000名に達した時点で、募集は締め切られます。

このコーナーで、特定の会社の商品をご紹介するのはどうなのかな?という気持ちはありますが、「赤ちゃん連れでハワイに行きたい!」という話を耳にする機会も多いので、取り上げさせていただきます。宣伝のように感じる方には、ごめんなさい!

「JTBハワイ積立」は、旅行先をハワイに限定して積み立てるプラン。積立総額には30・50・100万円の3コースがあり、いずれかのコースを選んで、毎月積み立てるか、一括払いで資金を払い込みます。気になるサービス額は、3%! 本来の定期積立プランの利率は1.75%なのですが、これに1.25%を上乗せしたプランです。

たとえば50万円を一括で支払い、24カ月後に受け取る場合は、3万円のサービス額が上乗せされて、53万円の旅行購入権(旅行代金にあてられる権利)が得られます。さらに、ルックJTB(パッケージ商品)でハワイ旅行を申し込んだ場合には、TギャラリアbyDFSハワイ・ワイキキ店で利用できる50ドル相当額のクーポン(現地引換え期限2020年1月末)がもらえるとのこと。

満期まできちんと払える金額を見積もってから

家計診断で「家族の夢は何ですか?」とうかがうと、「子どもが小学校に入る前にハワイに行きたい」という答えが返ってくる機会は多くなっています。そういう方に、「ハワイ旅行に向けて、貯蓄をしていますか?」と尋ねると、「貯蓄はしていますが、車検代になったり、住宅ローンの繰り上げ返済で使ってしまって、旅行に行けるほど貯まっていません」と返ってくることも少なくありません。

貯蓄で旅行費用を貯めていると、お金が必要になった時に別の用途に使ってしまう可能性があります。一般的な貯蓄とは切り分けて、専用口座で貯めたほうが貯まりやすいご家庭も多いでしょう。

ただし最後に、旅行積立の注意点をふたつ。旅行積立は、旅行費用にあてるために積み立てる制度なので、満期まで積み立てても現金では受け取れません。また満期前に解約すると、サービス額が減らされたり、元本割れする可能性もあります。旅行に行くつもりで積み立てているけれど、そのお金を別の用途に使いたいというのは、難しいのが現実です。そのため、月々積み立てるプランであれば、最後まで積み立てられそうな金額をきちんと見積もることが大切だと思います。