前回は「子どもの年齢差は少ないほど、老後資金の準備がラクになる」とご紹介しました。そして年齢差と同じく、お金のご相談を受けている中では、こんな悩みもよく耳にします。

 

「子どもはできれば3人くらい欲しいのですが、我が家の収入では無理ですよね」

 

同意を求めていそうな感じで、実は「大丈夫ですよ」と言って欲しそうな問いかけ。そのような問いかけに対して私はいつも、「迷っている時間が長引くほど、金銭面でのリスクは高まります。3人望まれているのなら、頑張って早く妊娠されたほうが良いかもしれませんね」とお答えしています。

 

前回の記事でもお話しましたが、ご兄弟を生むのを迷うほど、お子さんたちの年齢差は開いていきます。親も年を取ります。迷えば迷うほど、老後資金準備に取り掛かれる年齢が先になる悪循環に陥ってしまうわけです。

 

「3人目が欲しいけれど、もう何年も迷いっぱなしで・・・」というご夫婦にお会いする機会もありますが、3人目となるとご主人が30代後半に差し掛かっているケースは珍しくありません。前回ご紹介したように我が家でも、主人が38歳の時に第3子を出産。浪人をせずに大学生になったとしても、定年退職後に大学生を抱える家庭になってしまいました。あと2~3年早く出産していれば・・・と後悔しても、あとの祭り。3人目が欲しいなら、迷っている時間すらもったいなかったと、今なら思います。

 

教育費は人数分かかるが、養育費は節約も可能

さて、子どもを3人持ったとして、やりくりは大丈夫なのか、教育資金は準備してあげられるのかなど、心配な方は多いでしょう。

基本的な知識として知っておきたいのは、“食費などの養育費は、子どもが増えても2倍、3倍には増えない”こと。いっぽうの教育費は、子どもの人数とともに、2倍、3倍と増えていきます。そういう意味で、子どもの人数が増えるほど、教育資金の準備計画は綿密に立てる必要があります。

 

教育資金プランは、お子さんが生まれた時点で、いつ頃、どんなお金がかかるのか、ある程度の予想がつく資金です。大学の学費についても、過去の記事でもご紹介している通り、児童手当と学資保険の2本立てで、大学時代の教育費をかなり貯められます。高校までの進学コースで無理な選択をしなければ、それなりに乗り越えていける性格のお金ともいえるのです。

 

「お子さんを何人持つか」については、私のような第三者にとやかく言われて決めるものではないはずですが、産むにしても、あきらめるにしても、「決断は早く」が重要ではないでしょうか。

 

次回更新は10月10日の予定です。