今月は現在妊娠中の方、あるいは産休や育休を取っている方に関係のある制度改正をご紹介します。今年の10月から、育児休業期間が延長になるという話題です。

10月以降に育休を取る方は、2歳になるまで延長できます

育児休業はみなさまもご存知の通り、お子さんが1歳に達する日まで取得できる休業制度です。ちなみに1歳に達する日は、1歳の「誕生日の前日」をさします。

育児休業制度は、1歳に達する日までに保育園に入園することを前提にした制度ですが、実際には入園の希望が叶わずに、育児休業期間を延長する方は少なくありません。現在の制度では、保育園に入園できない場合=待機児童であることが証明できる場合は、お子さんが1歳6ヵ月に達する日まで、育児休業期間を延長できるようになっているからです。

そして今年の10月からは、お子さんが1歳6ヵ月に達しても保育園に入れない場合は、2歳に達する日まで育児休業期間を延長できるようになります。育児休業期間が半年間、延長されるわけです、これから出産を迎える方はもちろん、すでに産休や育休に入っていても、10月の時点で新しい制度が適用になります。

育児休業期間が延長されれば、育児休業給付金の支給期間も延長になります。育児休業給付金の支給額は、育休が開始した当初の180日間は賃金の3分の2程度、181日目からは2分の1程度です。

申請までに不承諾の通知が必要です

ところで、待機児童であることを証明するためには、保育所への入所が不承諾になったという通知書を手に入れなければなりません。つまり育児休業の延長申請をおこなう時点で、待機児童になっていなければならないわけです。これは延長申請が1歳のときでも、1歳6ヵ月のときでも同じです。

不承諾の通知書がどのくらいの日数で手に入るのかは、個々のケースで異なるのでわかりませんが、1歳に達してから通知を手に入れても、申請には間に合いません。保育園に入れそうにないと思ったら、早めに不承諾の通知書を手に入れましょう。

通知書の入手にかかる時間だけでなく、入園申請の締め切り時期や手続きにかかる時間についても、自治体によって異なります。たとえば空きがあったとしても、毎月1日を入園日としているために、翌月の1日にならないと入園できない自治体もありますし、空きがあれば、月の途中からでも入園できる自治体もあります。そのため、育児休業期間の終わりが見えてきたら、自治体の担当窓口などに入園できそうか、難しそうかを確認しつつ、入園が無理そうであれば、延長申請のスケジュールを立てて、速やかに書類を提出しましょう。

また延長申請を考え始めたら、会社側に復職時期が遅れることを了承してもらう必要があります。復職できない期間が長くなるほど、職場の人員配置に影響が出るからです。育児休業期間の延長は、育休を取るほうにはうれしい話とはいえ、2年間、職場を離れることについては、職場とのコミュニケーションをきちんと取り、「やむを得ない延長」であることの理解を求める努力も必要だと思います。