②知らずに身に付いた「おうち感覚」、大丈夫?

家庭中心の生活が長くなると、例えば、ビジネスシーンでの電話応対のとき、電話口の相手の用件を聞きながらメモを取って取り次いで・・・なんて今の私にできるかな?とか、毎日きちんとメイクして、職場にふさわしい服装をして出かける・・・なんて窮屈だなあ、など、いろいろ不安になりますよね。私自身も、毎日ジーパンとTシャツで過ごしていた専業主婦時代、いい意味でのびのびと毎日を過ごしていたので、いざ再就職が決まった際に、何から準備すればいいかかなり慌てたのを思い出します。

産前と体形が変わった人は、面接用の洋服も新たに用意する必要があるかもしれません。まだ子どもが小さく抱っこが多い時期のママは、知らず知らずのうちに猫背になっていませんか?話すトーンや言葉遣いも、子どもに合わせたものからビジネス調へ状況に応じて切り替えるスイッチも必要になりますね。

考え方も要注意です。マタニティ期~子どもが小さいうちは、座席を譲られたり行動を優先してもらえたり、とママたちは周囲からとても大切にされます。そのことに慣れてしまって、「小さな子どもがいるんだから、優遇されても当然」という意識が、どこかに芽生えていないか、謙虚に自問してみてほしいのです。勤め先には、子育て中というだけでなく、介護を担っている方、家庭の事情がある方など、さまざまな方がいらっしゃるでしょう。「自分だけ特別」という意識を取り払わなければなりません。

実は私自身が、再就職当初、このことで痛い目に遭っています。地元の保育園に空きが無く、ベビーカー通勤を余儀なくされていた私は、通勤経路として、運賃が高くても通いやすい(乗り換えが少なくエレベーター有り)経路が認められると思っていました。でも当然ながら、会社としては運賃の最も安い経路しか認めません。規定がありますから当然ですよね。不服なら自分で余分にお金を払ってエレベーターのある経路を使えばよい話です。それなのに私は「毎日ベビーカーを抱えて階段なんて無理!」と憤慨、人事部と交渉して玉砕したのです。そりゃそうです(笑)。今思うと恥ずかしい話ですが、それくらい、当時は感覚がズレていたのだと思います。ハッと目が覚める、よい教訓になりました。

③「できる」「できない」は明確に!

面接までこぎつけたとなると、「ぜひ採用されたい」という思いが強くなりますよね。かといって、実際はできそうにない出張や残業を「できます」と受けてはいけません。そのためにも、第6回でもやりましたが、事前に条件の優先順位と譲れる範囲を具体的にしっかり固めてから面接に臨みましょう。子どものお迎えの時間に間に合うのか、希望通り土日は休めるのか、など大切なポイントはうやむやにしないことです。また、自分のスキルの過大評価も要注意です。頼まれた業務が自分のスキルでは対応できないなど、入社してから「こんなはずではなかった」となってしまうのは、双方にとって残念なことです。会社に大きな迷惑をかけることにもなりかねません。がんばる意欲を表すにも、「ありのまま」+「努力目標」を伝えるにとどめ、まずは誠実に、「事実を伝えること」が大切です。

④リスク管理体制を整えておく

私は企業の中途採用も担当したことがありますが、子育て中の女性が面接に来られたら、やはり「お子さんの急病などのときはどうされますか?」と質問しました。圧迫や嫌味、ということではなく、どうしても採用側としては、仲間になっていただく以上気になりますし、その辺りの対策がきちんと取れている方なのかどうかも見極めたいと思ってお尋ねしていたのです。ですから、必ず聞かれるであろう「いざという時の備え」については、ぜひ事前に整えてから面接に臨んでください。パートナーとの協働体制ができていることや、近くに住む両親のサポートが得られるよう話し合い済みであること、病児保育や病児シッター、ファミリーサポートに登録済みであること、などです。できれば、シッターやファミサポなどは登録だけでなく一度利用をしておくことをお勧めします。子どもとの相性などが見極められていざというとき躊躇なく利用できるだけでなく、面接の場でも自信を持って伝えられ説得力も増すでしょう。

以上、少し厳しめのことも書きましたが、私も苦い失敗をした経験上、厳しいくらいにセルフチェックをしておいてちょうどよいと思うのです。みなさんも、再就職に向けての活動が本格化する前に、ぜひ自分自身を見直してみてくださいね。

今月のキャリコン母ちゃん

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「富士西湖でキャンプ&カヌー。
大自然に癒されリフレッシュしました!」

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