虹いろ人生で自分を見直す

ところであなたは今、一人で何役やっていますか?

私自身で考えてみると①母②妻③子④労働者⑤地域活動に関わる市民⑥長男の学童父母会の役員⑦時には学ぶ人・・・思いつくままに書き出しただけでも、同時に7つ以上の役割を担っています。
これらの役割の比重には大小があり、その比重もまた、時期により変化していきます。
親としての役割は、子どもの成長とともに徐々に小さくなっていきますし、反対に子どもとしての役割は、親が高齢化するにつれ増していくでしょう。労働者としては、独身でガッツリ働いていた時代に比べれば、今は6割程度。でも下の子が小学生になったら、少しずつ増やしていきたいな、とも思ったり・・・その時々で役割の数や比重の大小は違っても、誰もが複数の役割を演じながら、日々を生きているんですね。

ここで、ドナルド・E・スーパーという学者が1950年代に発表した「ライフキャリアレインボー」というキャリア理論をご紹介します。

『キャリアとは、人生のそれぞれの時期における役割の組み合わせである』として、『人は生涯において9つのライフロール(人生役割)を演じつつ生涯にわたってキャリア発達を続ける』といいます。

この理論でいう役割とは、子ども・学生・労働者・配偶者・親・家庭人・市民・余暇人・年金生活者の9つです。分度器のようなアーチ状の図をイメージしてください。その図を役割ごとにアーチ状に分割すると、まるで虹のようになりますね。アーチの左下は0歳、頂点あたりを40歳として、右半分は人生の後半というイメージ。これまでを振り返り、さらに今後どうなっていくか、どんな役割を、どんな割合で演じ分けていきたいのか。時期に合わせた各役割のバランスを考えてみるのです。

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※数字は年齢を表しています

これは私自身について描いた「ライフキャリアレインボー」です。
(見やすくするために、ここでは主だった6つの役割〈家庭人・親・労働者・余暇人・学生・子ども※図中では表現をアレンジしています〉についてのみ取り上げています。)

各役割の始まりや終わり、中断する時期、比重(帯の高低)をこのように表します。
こちらを参考に、ぜひみなさんも一度、ご自身の虹を描いてみてください。色を塗る帯の高低は、ひとまず自分の相対的な感覚でOKです。コンパスを使うと簡単に枠が作れますよ。

主体的に演じれば

どんな役割もキャリアになる!

私は、この「ライフキャリアレインボー」は、特に女性のキャリアを考えるうえでとても有効だと思っています。

一般的に、女性はライフイベント(結婚、出産、転職など人生の転機となる出来事)によって、演じる役割の数や大小を見直す機会が男性よりも多いといえます。育児や介護などで「労働者」としての役割が中断される時期もあるかもしれませんね。
だからこそ、キャリアというものを人生全体で見渡し、アーチに描かれたすべてが自分のキャリアであると、受け止めてほしい。同時に、未来のキャリアは自分で思い通りに描いていけるのだと、考えてほしいのです。

立ち止まって考えることで、焦りも、自信をなくす必要もないのだと、気づいていただけることと思います。
そしてここで大切なのは、もういちど働くにしても、育児に専念するにしても、どの選択も「イヤイヤ、仕方なく」ではなく、「自分で決めて、自分がそうしたいからそうする」と納得し、その役割を演じることです。自分にとって適切な時期に、適切な役割を主体的に演じ、その経験を豊かに積み重ねていくこと・・・それこそが、“わたしオリジナルのキャリア”を作ることなのです。

 

今回は、生涯を通した長いスパンでキャリアを考えてみました。
ユングいわく、「40歳は人生の正午」だそうです。私たちには、まだたっぷり午後の時間が残されていますね。わくわくいっぱいの午後、充実のディナータイムを過ごすためにも、ぜひみなさんも一度、ご自身の虹を描いてみてください。これからの自分の人生、どんな役割をどのように重ねてプロデュースしていこうかと考えてみるのは、新たな気づきもあり楽しいものですよ!

今月のキャリコン母ちゃん

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次男の5歳バースデー。手作りケーキでお祝いしました!

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