Something’s Fishy!!

さんま、いか、たこ、マグロ、ウニ、いくら、ヒラメ、ししゃも、クラゲ、サザエ、ハマグリ、ブリ、かれい、アジ、サバ、イワシ、タイ、しらす、うなぎ、シャケ、そして塩辛……??

日本に住むならやっぱり、お魚を好きになることが大事です。海に囲まれたこの島国では、昔から、魚は肉よりも大切な宝物でした。日本の家族にとって、健康的な子どもを育てるためにも魚はとても重要です。
海に囲まれているため、さまざまな魚が食べられます。季節によって食べられる魚もあり、楽しい料理がいっぱいできます。アメリカで、肉料理を中心として育ち、魚を食べる機会が少なかった私は、日本に住みはじめたときに魚料理にとてもとまどいました。魚によって作り方が違うなんて! なにもかも全然わかりませんでした。魚の名前も知らないし、ましてや三枚おろしのやり方なんて知るわけがありません。買い物に行っても、どの魚がいいのか、焼くのか煮るのか、どんなふうに調理すればいいのか、さっぱりわかりませんでした。まったく新しい世界で、「誰か助けて!」という感じだったのです。
今月は魚の思い出を話したいと思います。娘たちにも当時のいろいろを聞きました。きっとおもしろい、変わった話になるでしょう。

くさい! それからかわいそう!
Oh No!

日本人であるパパは、塩辛い食べものが大好き。なかでもいちばん好きなおやつはスルメイカで、テレビを見ながらよく食べていました。子どもたちは、その強いにおいはあまり好きではなかったようで、初めてスルメイカを見て、そのにおいをかいだときには「パパはなぜ長いゴムのようなくさい食べ物を食べるの?」と不思議がっていたのを思い出します。
その他にもパパは変な食べ物をよく食べました。ホタルイカも好きでした。普通のイカは大きくて白くてヌルヌルしているのに、ある日パパが喜んで食べていたのはとても小さな、ピンク色のイカ。娘たちはそれを見て「それはなに?」と不思議そう。パパは「ホタルイカですよ、おいしいですよ、食べてごらん」と言いながらイカをいっぺんに丸ごと口の中に入れてしまいました。娘たちはびっくり! 急いで私のところに来て「かわいそう、かわいそう! パパはイカの子どもを全部食べてる! 頭も食べたよ!」と言いました。娘たちは驚き、嫌な表情をしていました。
そのせいか、私はイカは大好きですが、実を言うとホタルイカは苦くてあまり得意ではありません。丸ごと食べる時にこのときの娘たちのことが思い浮かんでしまうと…、やっぱり食べにくいです。

頭からしっぽまで食べる!
From Head to Tail!

ししゃもは大好き! 骨まで食べるからからだによいし、卵もおいしいです。持ちやすくて食べやすい、おもしろい魚ですね。
ししゃもを娘に紹介した時、頭からしっぽまで食べることは少しビックリしていました。そして娘はもうひとつ、気になることを言いました。それは子持ちししゃもは「お母さん」であること! 子どもにとっては、お母さんや赤ちゃんはとても大事なんですね。「お腹にいるのは赤ちゃんだから、本当に食べてもいいんですか?」。いつも生き物の心を心配していた娘たち。ほんとうに優しいなと思いました
また、川で魚釣りをしたときには、鮎を釣りました。知り合いの家のいろりの周りに家族といっしょに座り、火をつけて、そこで鮎を長い棒につけてゆっくり焼いて食べました。素晴らしい思い出になりました。
鮎もししゃもと同じように頭からしっぽまで食べるんですね。焼きながらおいしい煙があがり、日本でしか体験できないような雰囲気のなか、みんなが近くに座って、火を見ながら、ニコニコおいしく魚をいただきました。ありがとうの味でした。

なんでうんちを食べるの?
Do You Eat the Poo?

私は大学に留学するために日本に来ました。ICU(国際基督教大学)へ入学する前には、26人の大学生とともに3週間、勉強のために京都、大阪、四国、伊勢、高野山、高松、奈良などへ行きました。
伊勢は2泊、お寺に泊まりました。その時に初めてサザエを食べました。私は、生トマト以外なら何でも食べられます。日本の食べ物は大好きになりました。のちに、全国に講演会で出かけるようになったおかげで、各地で伝統的な食べ物をいろいろといただきました。本当に良かった。
しかし…、あの時、初めてサザエを食べたときには、残念ながらあたってしまったのです! 他の学生たちもあたってしまった人がいて、大変でした。お腹が痛くて、死にそうになりました! あれから、サザエは一切食べられません。いただいたら必ず、隣の方にあげます! もったいないですから。

ある日、サザエがお皿の上に出てきました。娘たちは初めてなので、変わったおもしろい「カタツムリ」と言いました。私は絶対食べられません。パパが正しい食べ方を娘に教えてあげました。やさしくひっぱると、長い長い貝の身がどんどん貝の中から出てくるなんて不思議ですね。娘達は「蛇みたいね」と言いましたが、そこで問題です! もし頭が先にあるとすれば、最後の分はしっぽになりますよね。色もだんだんと黒くなるし、最後は柔らかい…。そこで娘は子どもらしく質問したのです。「ねえ、うんちまで食べるの?」。それを聞いて爆笑! 笑うしかありませんでした。でも考えてみれば、うんちなのかな? 苦いし…。子どもっておもしろいですね。
サザエを大好きな方はたくさんいます。大変失礼しました! ぜひ、ずっと楽しく食べてください! 私たちはその代わり、残された貝を見てその貝の形などをほめますから!

潮干狩り。アサリをとりに行こう!
Clam Digging!

日本には、食べ物に関する楽しい習慣や遊び、活動がいっぱいあります。いちご、みかん、栗、芋、ぶどうなどを自分で取りに行けるような、楽しいことが山ほどあります。食べ物を探しながら、収穫しながら、食べながら、すばらしい思い出ができます。
夏には、家族や友達といっしょに海へ行って、アサリを取りました。小さかった娘は目の前の広い海に何を感じたのでしょう。「なぜ海は足元まで来て、また出て行くの?」と聞かれました。子どもにとって、海はかなり不思議なことだったようで、「穴を掘って、水がどんどん来たら、その掘った穴がすぐなくなるね!」「海の水には泡がいっぱいあるね。なぜ? 泡はどこから来るの?」などなど、たくさんの質問が楽しかったです。
アサリを取ることはドキドキします。そのためのいろいろな道具があって、掘りながらアサリを見つけるとすごくうれしいです! 貝の表面のデザインや色も美しく、しかも全部、色やデザインが違います。だんだんバケツがいっぱいになり、ネットに入れ、ずっしりと重くなる…。大切な宝物みたいです。
家に持ち帰って水に入れると、潮を吹きました。そうすると貝の中にある砂などを抜けるんですね。
しばらくみていると、水鉄砲のように貝から細く、長い水が出てきました! おもしろい! パパはアサリやハマグリも大好きでしたが、娘たちがいちばん好きだったのはシジミ。シジミがあればニコニコと食べて、娘は幸せ。私も幸せでした。

ぐにゃぐにゃ危ない!
Slippery Jelly Fish

海で散歩すれば、時々クラゲが見つかります。さわると危険、刺されたらとっても痛いです。クラゲにはいろいろな種類や形、色などがあります。海に浮かぶと透き通って見えるし、不気味な雰囲気もあります。 からだはとても柔らかく見え、実際本当にぐにゃぐにゃしています。
しかし、クラゲを食べると全然違います。硬く、コリコリしています。娘たちにとっては、海に泳いでいるぐにゃぐにゃな生き物と、コリコリの食べ物になったクラゲは本当に不思議だったようです。「本当に食べてもいいんですか?」と 何度も聞かれました。 たしかにその通りですね! 私はクラゲをおいしいと思いますが、娘達はあまり好まなかったです。

辛いけど大好き!
Too Salty!

娘たちはパパの大好物をよく知っていました。パパは塩辛いものが大好き。でも、少しなら良いけれど塩辛いものばかりではからだにあまりよくありません。パパのおかげで、娘達は辛い明太子が好きになりました。あったかいご飯に辛子明太子…、とても幸せでした! シラスはあまり好きじゃなかったけれど、辛子明太子があれば表情が変わりました! 私は塩辛いものはあまり好きではなかったのでシラスの方が好きでした。私がいちばん大好きなのは塩辛です。
塩辛いものが好きな娘たちはなぜか、塩辛は食べません。理由はよくわからないのですが、ヌルヌルしているからかな? それとも作る時にイカの内臓が必要から食べたくないのかな? 娘達は辛い明太子を喜んで、私は塩辛を喜んで、いただきまーす!

回転寿司天国!
SUSHI HEAVEN

小さい時から娘たちが大好きだったのは回転寿司! おじいちゃんとおばあちゃんといっしょに住んでいたころには、お祝いのときやお客さんが来た時などに寿司を注文しました。娘たちが寿司を見ると目が大きくなって、とても喜んでいました。
おもしろいのは、長女くにみはマグロ娘で、マグロ大大大好き! そして次女まゆかが一番好きなのは納豆でした。よその子どもたちにはエビや卵が人気だったようですが、うちの娘はちょっと違いましたね。まゆかはいくらも好きでしたが「赤ちゃんの卵」とわかると悲しそうな顔をしました。
大きくなってから楽しく、回転寿司に行きました。くるくる回り、ドキドキします。何が出てくるのかな? 何を注文すればいいのかな? 自分で注文するときには、勇気を持って大きな声を出さなければならないため、自信をつけるトレーニングにもなります! 娘達はカニ汁、しじみ汁、鉄火巻き、ネギトロ、サーモンを食べるのは楽しみでした。寿司を食べるときの顔はやっぱりいちばん幸せそうだと思います。
回転寿司のもうひとつの楽しみは、寿司職人さんと話をしたり、注文をしたりすること。でも、以前よく言っていた目黒の回転寿司屋に行ったら、機械に向かって注文するシステムに変わっていました。さみしかったです。職人さんとの会話や出会いはほんとうに楽しかったです。
今この原稿を書いていると急に、寿司がすごく食べたくなっています…。今はカリフォルニアにいるため寿司は高いし、日本のものとは違うし、やっぱり日本の寿司はいちばん! 最高です! 日本に住んでいるみなさんは本当に幸せだと思いますよ!

海を守りましょう!
Protect our Oceans

日本にはさまざまなおいしい魚や貝などがあります。骨を強くするためにも魚は大事です。娘達と魚を食べた思い出は海ほどあります! 美味しい思い出、美味しくない思い出もあります。でも、私達は幸せでした。
先週、カリフォルニアでクジラwatching ツアーに娘と参加しました。初めての体験でしたが、親子のデートとして最高でした! イルカ、ペリカン、カモメ、アシカ、それからクジラ…! たくさん見ることができて、素晴らしい冒険でした。本当に感謝です。海や地球はすばらしい!と思いました。
美しい海、それから海にいる生き物を見て、勉強にもなり、感動しました。やっぱり私達は海を守るべきです。海へ行くとゴミがあちらこちらにあります。散歩しながらいつも娘といっしょにプラスチックのものなどを拾って袋に入れて捨てていました。大勢の鳥や魚、亀などがそのゴミ、特にプラスチックのものを拾って食べると、苦しんで命を落としてしまいます。
小さい時から 子どもを初めて海や川へ連れて行く時に、必ず自然を守ることを教えるべきだと思います。元気な海や魚になるよう、私たちは責任を持って、もっともっと守るべきです。元気な海があれば、魚たちも元気に生きることができます、
海や魚は元気なら、私達も元気になります。海に感謝。魚にも感謝です。

 

カリフォルニアのクジラウォッチングツアーにて。
マンボウ。Sunfish

 

イルカたち。

 

クジラ(Humpback whale)。頭や口を出して食べているところ。

 

私が持っているビンの中のはクジラが食べるエサ(オキアミ)です。

 

クジラの口の中にあるもの。これで魚やエサを取ります。
人間の爪や髪の毛と同じ成分のものできています。