子育てが一段落して、公園デビューをするころから気になり始めるのは「おけいこごとをいつからさせるか」ではないでしょうか。公園で知り合ったママ友たちのお子さんが、「習いごとをしている」ことに気づくと、「もしかして、ウチは遅れているの?」と不安にかられるママがいるかもしれません。実際に家計診断のなかでも、「いつからおけいこごとをさせるのがベストタイミングですか?」というご質問を受ける機会がふえています。

そこで今月は、最近発表されたばかりのおけいこごと調査を引用しつつ、おけいこごとの「お金事情」を考えていきましょう。

おけいこごと代が年収に占める割合は2.7%

今回引用するのは、アクサダイレクト生命が3月に発表したばかりの「第5回 子どものおけいこごとに関する調査」です。調査対象の子どもの年齢は、0歳から9歳になっています。

https://www.axa-direct-life.co.jp/news/2018/news_180315_b.html?topbnid=n_20180315_b

最初にご紹介するのは、おけいこごとにかかる費用。調査では、おけいこごとにかけている費用は、年間で約15万5000円という結果が出ています。ひと月にすると、1万3000円弱。この金額は、年収に占める割合としては、2.7%とのことです。みなさんのご家庭と比べて、多いですか? 少ないですか?

この連載でも過去にふれていますが、おけいこごと代を含む「子ども費」の割合は、手取り月収の10%程度におさめたいところ。赤ちゃん時代であれば、月収の10%以内におさまるご家庭が大半ですが、幼稚園に通うようになると、おけいこごと代と合わせて、子ども費が10%を超えるご家庭も多くなります。教育費の貯めどきは、赤ちゃん時代と小学校低学年時代の2回しかありません。今回の調査くらいの金額に抑えておくのがよいと思います。

おけいこごと代をねん出するため、食費、通信費、小遣いを減額

おけいこごとをさせるうえでの悩みや、継続するかしないかの判断については、いずれも「費用が影響する」と答えている方が一番多くなっています。おけいこごと代をねん出するためにしていることは、「食費の切りつめ」が一番多く、以下「通信費の見直し」「自分の小遣いの減額」「レジャー費の見直し」の順になっています。

通信費の見直しは、この先の家計にもよい影響を与えると思いますが、9歳までのお子さんがいるご家庭で、食費を切り詰めなければおけいこごと代をねん出できないのであれば、食費ではなく、おけいこごと代を減らしたほうがよいようにも思います。お子さんにかかる食費は、10歳以降のほうがかさみますから、食費を少し減らしたとしても、またふえる時期が来るからです。

おけいこごと代は抑えて、大学に向けての教育資金準備が重要

2020年からの学習指導要領の改訂により、小学校の授業にプログラミングと英語が正式導入されます。それらを背景にして、最近は英語だけではなく、プログラミングの教室も大盛況。新しいことが始まると聞くと、「お友達に遅れはとりたくない」という気持ちから、おけいこごとを始めるご家庭も少なくありませんが、お子さんに関わるお金で重要なのは、大学時代の教育資金をきちんと準備することです。

わが家の話として、今春、末っ子が大学受験をしました。残念ながら、喜ばしい結果にはなりませんでしたが、それでも想定していたより高額の塾代や受験費用がかかりました。大学受験までにかかった費用と、この先の在学費用は学資保険でまかなえますが、「事前準備をおこたっていたら大変だったなあ」とつくづく感じているところです。

ところで最近、奨学金を借りる人の割合が減っているというデータが出ました。子どもに借金を背負わせたくないという親心を反映したものだと、個人的には受け止めています。教育資金の負担は、マラソンのようなものなので、早い時期に頑張りすぎて家計が疲弊してしまうと、大学時代の学費が不足しがちだということも知っておいて欲しいと思います。