日本の国民医療費は、平成22年度では37兆円を超え、前年度よりもさらに増加しています。医療技術の進歩と今後の高齢化から、医療費はますます上昇するでしょう。医療費の削減を図り、国民皆保険制度の維持のためにも、ジェネリック医薬品の使用促進が進められています。

「ジェネリック」ってどういう意味?

【解説】
日本では多くの場合は処方箋には先発医薬品の商品名が記載されます。欧米では一般名、成分名(generic name(ジェネリックネイム))で処方されることが多いのでgenerics(ジェネリック医薬品)と呼ばれ世界共通の呼称となっています。
日本では新薬の特許の関係から医薬品メーカーに独占的に製造販売できる特許期間があります。しかし特許の期間が終わると有効成分等は国民共有の財産となり 厚生労働大臣の承認をえれば他の医薬品メーカーも製造販売できるようになりこの特許期間終了後に発売される後発医薬品を「ジェネリック医薬品」と呼ぶので す。

ジェネリック医薬品の有効性、安全性とは?

【解説】
ジェネリック医薬品を販売するためには先発医薬品と同様に薬事法に基づく厚生労働大臣の承認が必要なります。その承認を得るために は品質性、有効性、安全性が先発医薬品と同等であることを証明しなければなりません。そのために【1】規格及び試験方法【2】安定性試験【3】生物学的同 等性試験に関する臨床試験結果を提出し、厳格な審査が行われた上で先発医薬品と同等であると確認されたジェネリック医薬品だけが製造販売の承認を得ている 国が認める安心のお薬ということになります。

ジェネリック医薬品に変更するメリットは?

【解説】
健康保険証を提示した上で、保険医療機関を受診した場合に処方された薬を薬局でもらう場合には一部負担金及び自己負担額分(以下自 己負担額とします。)の3割を支払いますが、ジェネリック薬品に変更し処方された場合でも同様に3割の自己負担額を支払います。同じ3割負担であっても ジェネリック医薬品は本体の価格が安いので実際の負担額は低くなります。たくさんお薬を飲む方や毎日お薬が必要な方にとってこの価格の差は大きいでしょ う。地方自治体や企業の健康保険組合でも、被保険者の皆さんの保険料を上げずに財政を健全化しようと、ジェネリック医薬品の普及に積極的に取り組むところ が多くなってきました。ジェネリック医薬品に関する情報を発信し、お薬をジェネリック医薬品に替えたらどれだけ安くなるかを知らせる通知を発行していると ころもたくさんあり、ジェネリック医薬品の利用促進に力を入れています。

ジェネリック医薬品に変更するにはどうすればいいの?

【解説】
ジェネリック医薬品は、今、全国的に普及が進んでいて、全国の病院・診療所・保険薬局で、処方・調剤されている身近なお薬となってきています。かかりつけの医師・薬剤師の先生に「ジェネリックでお願いできますか?」と相談してみてください。
2008年4月から処方せんの様式が変わり、患者さんがさらにジェネリック医薬品を選びやすくなりました。医師が発行した処方箋の中に「変更不可」という 欄ができて、一つ一つのお薬に対してジェネリック医薬品に変更しても良いか医師が判断します。「変更不可」欄に、「レ」または「×」がついていないお薬 は、ジェネリック医薬品に変更することができるのです。お薬によってはまだジェネリック医薬品が発売されていないものもありますが、処方せんを確認して、 「 」もしくは「×」がついていないお薬はジェネリック医薬品に変更することができるか、薬剤師の方に相談してみましょう。また2012年からは薬局で交付さ れる薬の服用方法が記載された説明文(薬剤情報提供文書)の中にそのお薬に対するジェネリック医薬品の情報が記載されていますので、ジェネリック医薬品へ 変更できるか確認してみましょう。言い出しにくいときには本文でも説明したように協会けんぽ等から発行されている変更希望カードや変更希望シールをお薬手 帳などにはっておくのがよいと思います。

日本のジェネリック医薬品の普及率は?

【解説】
ジェネリック医薬品の数量シェアは2011年(平成23年)9月で22.8%となっています。欧米では「後発医薬品」の定義が異な るので数字上の単純な比較はできないのですが、アメリカ、イギリス、ドイツでは50%以上の数量のシェアになっています。これを考えると日本におけるジェ ネリック医薬品の普及はまだ不十分に思われます。これらの国は、日本よりもずっと前から医療費の節減が課題となっていので、医療費の節減に効果のあるジェ ネリック医薬品が普及していると思われます。日本でも同様にジェネリック医薬品が普及することで、医薬品市場の競争を促進して医薬品の価格抑える効果あ り、医療費が削減され、健康保険財政が安定化していくことが期待されます。