
症状別、病名別などで、赤ちゃんの気になる病気の小児科医による説明・アドバイスが読めるページです。

インフルエンザ|アデノウイルス感染症(咽頭結膜熱・プール熱)|髄膜炎

喉の突き当たりの両側に、ソラマメ状の、表面にひだのある肉の塊が突き出していますが、これが口蓋扁桃です。
扁桃(腺)は、リンパ節と似た構造を持っており、口から入っている雑菌やウイルスの侵入を阻止するための門番のような働きをしています。ここに細菌が繁殖すると、扁桃炎になります。
のどの痛みと扁桃の腫れ、首のリンパ節の腫れや発熱などを起こします。扁桃は赤く腫れ、細菌の種類によっては、表面に白〜黄色の膿が付着します。
溶連菌による扁桃炎では、しょう紅熱や腎炎、リウマチ熱が引き起こされる危険性があります。
抗生物質による治療が有効です。
家で経過をみましょう。のどの痛みが強く、食事がとれないといった症状が現れた場合は、診療時間に医療機関へ。
| 活動度 | 家のなかでおとなしく過ごさせる。保育園・幼稚園には症状が消えてから通う。 |
|---|---|
| 食事 | のど、口内が痛くて食べられないときは、脱水症状を避けるために水分を少量ずつ与え、食事は口あたりのよい豆腐、アイスクリーム、ゼリーなどを。 |
| 薬 | 症状が消えてからも、処方された分の薬は最後まで飲み切る。 |
| 入浴 | 熱が下がりきるまでは温かい濡れタオルで体を拭く。 |
| 熱へのケア | 首筋、わきの下、ももの付け根など、動脈が通っている場所を氷まくらなどで冷やし、衣服は1枚薄着、布団も薄めにして、熱がこもらないように。汗をかいたら着替えさせる。 |
「おたふくかぜ」の俗称がある、ムンプスウイルスの全身感染症です。
特に耳下腺などの唾液腺や、すい臓、精巣などにウイルスが行きやすく、耳下腺の腫れ、微熱などの主要症状に加えて、腹痛(膵炎)、睾丸の腫れなどの症状が出ます。高い確率で軽い髄膜炎を起こし、強い頭痛、嘔吐、首の部分の硬い張りなどの症状が現れます。
予防接種で予防できます。
家で経過をみましょう。診断をつけるために、診療時間に医療機関へ。頭痛や嘔吐の症状が現れた場合は、なるべく早く医療機関へ。
| 活動度 | 家のなかでおとなしく過ごさせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。 |
|---|---|
| 食事 | 耳下腺が腫れ、痛くて食べられないときは、脱水症状を避けるために水分を少量ずつ与え、食事はかまずに飲み込めるようなものを。 |
| 薬 | 医師に処方された薬を正しく服用する。 |
| 入浴 | 高熱、頭痛がひどくなければ入浴可能。 |
| 腫れへのケア | 腫れが痛むときには、冷やしたタオルをあてると痛みがやわらぐ。 |
多くの場合、かぜやインフルエンザなどのウイルス感染症になってから数日して、急に激しい嘔吐、けいれんや意識障害を起こす脳の病気です。
はっきりした原因は分かっていませんが、ウイルス感染による炎症によって作られた物質が脳に働いて、急速な脳のむくみ(浮腫)が生じる状態です。
むくんだ脳によって、生命の中枢である脳幹部が頭蓋骨に圧迫され、命にかかわることがあります。アスピリンなどの解熱剤の一部は、脳症の発症と関連があると言われ、小児では、アスピリンは使用されなくなりました。
意識もうろう、けいれんの症状がある場合は、ただちに救急車で医療機関へ。
| 活動度 | 入院治療が必要。 |
|---|---|
| 退院後の生活 | 退院後の生活の制限はない。後遺症が残った場合は、医師や作業療法士などと連携しながら、リハビリを続ける。 |
インフルエンザウイルスが呼吸器粘膜から体に侵入し、増殖することによる全身性感染症。高熱、筋肉痛、頭痛、喉の痛み、結膜炎、咳などの症状があり、肺炎や脳症を合併すると重症になることがあります。強い感染力があり、冬に大流行します。A,B,Cの3つの型があり、大流行するのはA型とB型です。
高熱は2〜4日続いたのちに下がりますが、咳は解熱した後もしばらく続きます。予防接種があります。抗生物質は効果がありませんが、最近効果のある薬が開発され使用されるようになっています。
なるべく早く医療機関へ。診断が早いほど、薬がよく効き、症状が軽くすむ。
| 活動度 | 家のなかで寝かせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。 |
|---|---|
| 食事 | 熱が高く食事ができないときは、水分補給を少量ずつ行い、解熱剤で熱が下がったときに、おかゆなど消化のよいものを。 |
| 薬 | 医師に処方された薬を正しく服用する。解熱剤は、種類によっては脳症との関連を疑われているものがあるので、必ず医師の指導に従って用いる。 |
| 入浴 | 熱が下がりきるまでは温かい濡れタオルで体を拭く。 |
| 熱へのケア | 首筋、わきの下、ももの付け根など、動脈が通っている場所を氷まくらなどで冷やし、衣服は1枚薄着、布団も薄めにして、熱がこもらないように。 汗をかいたら着替えさせる。 |
脳内の神経細胞に生じた腫瘍細胞が急速に増殖し、そのために、
(1)腫瘍化した部分の脳機能の低下・消失
(2)腫瘍の増大による脳の圧迫による症状がでます。
小児では小脳や脳幹部の腫瘍が多く、ふらつき(失調)、眼球運動の異常など、小脳、脳幹部の機能障害が最初の症状としておこる場合があります。
腫瘍の拡大による症状としては、頭痛、嘔吐があります。けいれんが起こることもあります。
治療は腫瘍の外科的な摘出、切除ですが、腫瘍の場所や種類によっては抗がん剤による化学療法が行われます。
繰り返しけいれんをおこす場合などは、検査のために医療機関へ。
| 活動度 | 入院治療が原則。 |
|---|---|
| 退院後の生活 | 医師の指示に従って、少しずつ通常の生活に戻る。定期的に検査を受け、再発の有無をチェックする必要がある。 |
食事や精神的なストレス、不眠などが引き金となり、数分から数時間続く激しい頭痛発作が起こるものです。頭痛だけでなく、はき気、嘔吐、腹痛などの消化管症状や、手足のしびれ、視野狭窄などの多彩な神経症状が合併することもあります。脳内の血管がいったん収縮し、引き続いて拡張するときに激しい頭痛となります。通常の鎮痛剤で効果があることもありますが、偏頭痛用の特別な薬(内服、注射)による治療が必要になることもあります。
診断がついていない頭痛は、診療時間に医療機関へ。偏頭痛と分かっている場合は、家で経過をみていてよい。
| 活動度 | 外出、登園して差し支えない。 |
|---|---|
| 食事 | 普通どおりの食生活でよい。 |
| 薬 | 特に必要ない。 |
| 入浴 | お風呂にいれてもかまわない。 |
| その他 | 頭部を冷やしてやると楽になる。 |
小児の頭蓋内出血の原因は、
(1)外傷
(2)出生時の低酸素脳症です。
外傷による頭蓋内出血は、硬膜下出血と硬膜外出血に分けられます。
頭痛、吐き気などとともに、脳内の血液の塊が大きくなることによる圧迫症状(けいれん、意識障害)があらわれてきます。難産での低酸素状態に続く脳出血は、脳実質内、あるいは脳室内の出血となります。
軽度の脳実質内出血は、自然に吸収されることもあります。
外傷性の脳出血では、血の塊(血腫)を外科的に取り出す手術が必要です。
強く頭を打ったなど、外傷が明らかで、意識がもうろうとしたり吐く場合は、ただちに救急車で医療機関へ。
| 活動度 | 入院治療が必要。 |
|---|---|
| 退院後の生活 | 医師の指示に従って、少しずつ通常の生活に戻る。しばらくは通院による経過観察が必要になる。 |
脳と脳を包んでいる膜の間(くも膜下腔)で、細菌が感染を起こすと、髄膜炎が発症します(細菌性髄膜炎)。
高熱、頭痛、けいれん、意識障害が主要な症状です。インフルエンザ桿菌、髄膜炎菌、ブドウ球菌など様々な菌が髄膜炎を引き起こします。
大量の抗生物質で治療しますが、治療にもかかわらず生命にかかわったり、てんかん、四肢の麻痺、難聴などの後遺症を起こすことも多い病気です。また、エコーウイルスや、ムンプスウイルス(おたふくかぜのウイルス)などのウイルスも髄膜炎を起こしますが(ウイルス性髄膜炎)、こちらは症状も軽く、治療しなくても自然治癒します。
吐いて意識がもうろうとしている場合は、ただちに救急車で医療機関へ。
| 活動度 | 入院を原則とする。 |
|---|---|
| 退院後の生活 | 特に制限はなく、通常の生活でよい。細菌性髄膜炎で、治療が遅れた場合には、後遺症が残ることがある。 |
| けいれんへのケア | 体を揺すったり大声で呼んだりしない。 口にタオルを入れるのは、窒息の危険があるので禁物。 吐いたときに窒息しないよう、顔を横向きにし、できるだけ静かに寝かせる。 けいれんがどのぐらい続いているかを、時計で測ることもとても大切なこと。 けいれんが長く続く場合や、けいれんがおさまっても意識が回復しない、呼吸がおかしい場合には、すぐに救急車を呼ぶ。 |
アデノウイルスに感染することによっておこる夏に多い感染症。プールで感染することが多いことからこの名前がついています。
いわゆるかぜ症候群の5〜8%はアデノウイルスによるものですが、タイプV型のアデノウイルスが、この病気を起こします。別名は咽頭結膜熱といい、喉が赤くはれ痛みを伴い、結膜の充血も激しく、首のリンパ節も腫れて痛みます。4〜5日と長期間続く高熱が特徴で、咳や鼻水はあまりでません。
高熱とともに全身倦怠感が強く、ぐったりします。予防接種はなく、抗生物質も効果ありません。
家で経過をみましょう。対症療法や、診断をつけるために、診療時間に医療機関へ。高熱が続く、うなされるといった症状が現れた場合は、なるべく早く医療機関へ。
| 活動度 | 家のなかで寝かせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。 |
|---|---|
| 食事 | 熱が高く食事ができないときは、水分補給を少量ずつ行い、解熱剤で熱が下がったときに、おかゆなど消化のよいものを。 |
| 薬 | 医師に処方された薬を正しく服用する。解熱剤は、種類によっては脳症との関連を疑われているものがあるので、必ず医師の指導に従って用いる。 |
| 入浴 | 熱が下がりきるまでは温かい濡れタオルで体を拭く。 |
| 熱へのケア | 首筋、わきの下、ももの付け根など、動脈が通っている場所を氷まくらなどで冷やし、衣服は1枚薄着、布団も薄めにして、熱がこもらないように。汗をかいたら着替えさせる。 |
かぜは別名、急性上気道炎と呼ばれ、ライノウイルス、レオウイルス、パラミクソウイルス、RSウイルス、コロナウイルスといった多数のウイルス(200種類以上)が起こす、のど、鼻、気管支の炎症を主症状とする疾患群です。
症候群と呼ばれるのは、多数の原因ウイルスがいるためです。のど、結膜、鼻、気管の粘膜の炎症によって、のどの痛み、結膜の充血、鼻水、咳がおこり、全身症状として発熱、頭痛、筋肉痛などの症状があらわれます。通常3〜4日で自然治癒します。抗生物質は効果がありません。
しばらく様子をみて、診療時間に医療機関へ。咳がひどくて眠れない、高熱が下がらない、食事がとれないといった症状が現れた場合は、早めに医療機関へ。
| 活動度 | 家のなかでおとなしく過ごさせる。保育園・幼稚園には症状が消えてから通う。 |
|---|---|
| 食事 | 普通食でよいが、油っぽいもの、お菓子などは避け、胃腸に負担の少ない、消化のよいものを。 |
| 薬 | 特に必要ないが、医師に処方された薬は正しく服用する。 |
| 入浴 | シャワー、入浴は通常通りでよい。ただし高熱があるときは、タオルで拭くだけとする。 |
| 熱へのケア | 首筋、わきの下、ももの付け根など、動脈が通っている場所を氷まくらなどで冷やし、衣服は1枚薄着、布団も薄めにして、熱がこもらないように。汗をかいたら着替えさせる。 |
鼻の穴から入ったところにある空間は鼻腔(びくう)と呼ばれ、吸い込んだ空気に湿り気を与え暖める働きと、匂いを感じる働きがあります。
鼻腔は細い管を通じて、頬骨や額の下にある空洞(副鼻腔)につながっています。
副鼻腔に炎症が起こり、膿がたまるのが副鼻腔炎です。
急性の副鼻腔炎は、かぜ症候群などによって鼻腔の粘膜の炎症が副鼻腔までおよび、そこに細菌感染が起こります。かぜの症状に加えて、鼻づまりや緑色〜黄色の鼻汁と頬骨の部分の不快感などの症状があります。
長期間抗生物質療法を行います。
膿が引かずにたまっている場合には、「蓄膿症」と呼ばれ、手術的に膿を出す必要があります。
かぜのあと、なかなか症状がとれない場合、この病気が疑わしい場合は再診を。
| 活動度 | 外出、登園して差し支えない。 |
|---|---|
| 食事 | 普通どおりの食生活でよい。 |
| 薬 | 症状が消えてからも、処方された分の薬は最後まで飲み切る。 |
| 入浴 | お風呂にいれてもかまわない。 |
小学生低学年や、中高生に見られる一種の自律神経失調症です。全身の血管内の血液の適正な分配がうまくゆかないことが原因です。
ふつうは立ち上がったときに脳の血液が重力によって下に落ちないように自動的に血管収縮が起こりますが、これがうまく行かないと立ちくらみになります。
食事をしたときに、腸管に血液が十分流れないと腹痛や吐き気、嘔吐といった症状がでます。
成長にしたがって、次第に症状は軽快しますが、こうした症状(たちくらみ、腹痛、はき気、嘔吐)が慢性的に見られるときには、血圧を調節する薬を続けて飲むこともあります。
家で経過をみましょう。症状が強く出る場合は、薬を処方するため、診療時間に医療機関へ。
| 活動度 | 外出、登園して差し支えない。 |
|---|---|
| 食事 | 普通どおりの食生活でよい。規則正しい食事が予防にもなる。 |
| 薬 | 特に必要ないが、医師から処方された薬は正しく服用する。 |
| 入浴 | のぼせやすいので、長湯は避ける。 |
| その他 | 夜ふかしやストレスが誘因になるので、規則正しい生活、じゅうぶんにからだを動かして遊ぶ生活をするとよい。 |