咳が出る

症状別、病名別などで、赤ちゃんの気になる病気の小児科医による説明・アドバイスが読めるページです。


麻疹(はしか)

特徴的な症状

【熱がある】【赤い発疹】【結膜の炎症(目やに)・目の充血】

麻疹ウイルスによる全身感染症です。症状は2期に分けられます。
1期は、かぜ症候群によく似ており、咳と鼻水、結膜炎と中程度(38度くらい)の発熱がおこります。
3〜4日でいったん熱は少し下がりますが、その後急速に高熱となり、同時に特徴的な赤く細かい発疹が全身に広がります。高熱と全身倦怠感のためにぐったりします。また光をまぶしがるのも麻疹の特徴の一つです。
ウイルス感染が肺に及ぶと、呼吸困難のために命にかかわることもあります。数日高熱が続いて後に解熱しますが、発疹は癒合し、治った後に色素沈着を残します。
重症の場合は、ガンマグロブリンによる治療で症状を多少軽減することができます。
予防接種で予防できます。

受診のタイミング

しばらく様子をみて、診療時間に医療機関へ。高熱、ぐったりしているなど、全身状態が悪い場合は、なるべく早く医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかで寝かせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。
食事 のど、口内が痛くて食べられないときは、脱水症状を避けるために水分を少量ずつ与え、食事は口あたりのよい豆腐、アイスクリーム、ゼリーなどを。
医師に処方された薬を正しく服用する。
入浴 熱が下がりきるまでは温かい濡れタオルで体を拭く。
熱へのケア 首筋、わきの下、ももの付け根など、動脈が通っている場所を氷まくらなどで冷やし、衣服は1枚薄着、布団も薄めにして、熱がこもらないように。汗をかいたら着替えさせる。
急性上気道炎(かぜ症候群)

特徴的な症状

【熱がある】【咳がでる】【鼻水がでる・鼻がつまる】【のどの痛み】

かぜは別名、急性上気道炎と呼ばれ、ライノウイルス、レオウイルス、パラミクソウイルス、RSウイルス、コロナウイルスといった多数のウイルス(200種類以上)が起こす、のど、鼻、気管支の炎症を主症状とする疾患群です。症候群と呼ばれるのは、多数の原因ウイルスがいるためです。のど、結膜、鼻、気管の粘膜の炎症によって、のどの痛み、結膜の充血、鼻水、咳がおこり、全身症状として発熱、頭痛、筋肉痛などの症状があらわれます。通常3〜4日で自然治癒します。抗生物質は効果がありません。

受診のタイミング

しばらく様子をみて、診療時間に医療機関へ。咳がひどくて眠れない、高熱が下がらない、食事がとれないといった症状が現れた場合は、早めに医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかでおとなしく過ごさせる。保育園・幼稚園には症状が消えてから通う。
食事 普通食でよいが、油っぽいもの、お菓子などは避け、胃腸に負担の少ない、消化のよいものを。
特に必要ないが、医師に処方された薬は正しく服用する。
入浴 シャワー、入浴は通常通りでよい。ただし高熱があるときは、タオルで拭くだけとする。
熱へのケア 首筋、わきの下、ももの付け根など、動脈が通っている場所を氷まくらなどで冷やし、衣服は1枚薄着、布団も薄めにして、熱がこもらないように。汗をかいたら着替えさせる。
咽頭炎

特徴的な症状

【のどの痛み】【熱がある】

咽頭は、口を開けてなかを見たときの、突きあたりの部分です。この部分の粘膜にウイルスや細菌が増殖するのが咽頭炎です。
症状はのどの痛み、鼻水、軽い咳、首のリンパ節の腫れ(特に細菌性の場合)です。のどをみると真っ赤に腫れあがり、細菌性の咽頭炎の場合には、白い膿が粘膜に付着していることがあります。
ウイルス性の咽頭炎の場合は、かぜ症候群のひとつとみなすことができます。
ウイルス性咽頭炎には特別の治療はありませんが、細菌性咽頭炎には抗生物質を使用します。

受診のタイミング

家で経過をみましょう。高熱が出る、食事がとれないといった症状が現れた場合は、診療時間に医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかでおとなしく過ごさせる。保育園・幼稚園には症状が消えてから通う。
食事 のど、口内が痛くて食べられないときは、脱水症状を避けるために水分を少量ずつ与え、食事は口あたりのよい豆腐、アイスクリーム、ゼリーなどを。
症状が消えてからも、処方された分の薬は最後まで飲み切る。
入浴 熱が下がりきるまでは温かい濡れタオルで体を拭く。
熱へのケア 首筋、わきの下、ももの付け根など、動脈が通っている場所を氷まくらなどで冷やし、衣服は1枚薄着、布団も薄めにして、熱がこもらないように。
汗をかいたら着替えさせる。
インフルエンザ

特徴的な症状

【熱がある】【咳がでる】【筋肉・関節の痛み】

インフルエンザウイルスが呼吸器粘膜から体に侵入し、増殖することによる全身性感染症。高熱、筋肉痛、頭痛、喉の痛み、結膜炎、咳などの症状があり、肺炎や脳症を合併すると重症になることがあります。強い感染力があり、冬に大流行します。A,B,Cの3つの型があり、大流行するのはA型とB型です。
高熱は2〜4日続いたのちに下がりますが、咳は解熱した後もしばらく続きます。予防接種があります。抗生物質は効果がありませんが、最近効果のある薬が開発され使用されるようになっています。

受診のタイミング

なるべく早く医療機関へ。診断が早いほど、薬がよく効き、症状が軽くすむ。

ホームケア

活動度 家のなかで寝かせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。
食事 熱が高く食事ができないときは、水分補給を少量ずつ行い、解熱剤で熱が下がったときに、おかゆなど消化のよいものを。
医師に処方された薬を正しく服用する。解熱剤は、種類によっては脳症との関連を疑われているものがあるので、必ず医師の指導に従って用いる。
入浴 熱が下がりきるまでは温かい濡れタオルで体を拭く。
熱へのケア 首筋、わきの下、ももの付け根など、動脈が通っている場所を氷まくらなどで冷やし、衣服は1枚薄着、布団も薄めにして、熱がこもらないように。
汗をかいたら着替えさせる。
急性気管支炎

特徴的な症状

【熱がある】【はげしい咳込み】

吸い込んだ空気は、鼻や口からのど、気管を経て、気管が二股に分かれた部分である気管支、それがさらに枝分かれした細気管支、そして肺胞へと導かれます。
急性気管支炎はさまざまなウイルスによって起こる、気管支から細気管支までの気道粘膜の炎症性疾患です。
狭い気道である気管支の粘膜が炎症で腫れ、さらに粘液の分泌が気道をさらに狭くするため、発熱、激しい咳、そして多量の痰が出ます。呼吸困難を呈することもあります。
ウイルス感染なので、抗生物質は効果ありませんが、二次的に肺炎となることがあるので、対症療法(咳止め、痰きりなど)に加えて抗生物質を使うこともあります。

受診のタイミング

なるべく早く医療機関へ。咳がひどくて眠れない、吐く、食事がとれない、ぐったりしているといった症状が現れた場合は、夜間、休日でも医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかで寝かせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。
食事 普通どおりの食生活でよい。
医師に処方された薬を正しく服用する。
入浴 熱がなければ、入浴してよい。体が温まると咳がひどくなることがあることには留意する。
咳へのケア 横になると咳がひどくなるときは、上半身を起こして休む。室内の湿度を60〜70%に保つ。湯気や蒸気のあがる場所(シャワーを浴室の壁にあてながら、など)で呼吸させると楽になる。加湿器があるときは使用する。
クループ症候群

特徴的な症状

【はげしい咳込み】【ヒューヒューゼーゼー苦しそう】【のどの痛み】

のどから気管に移行する部分を喉頭と言いますが、ここには食物を飲み込むときに気管に食物が入り込まないようにふたをする喉頭蓋(こうとうがい)や、声を出すときに狭まる声帯があります。この部分にウイルスや細菌が感染すると、気道が極端に狭くなり、犬の遠吠えのような「ケーンケーン」「ヒョーンヒョーン」といった音の咳が出ると同時に、呼吸困難になります。
この症状は気温が低い冬の夜に起こりやすい特徴があります。ウイルス性のクループ症候群は、腫れをとり気道を開く薬の吸入で症状は改善しますが、細菌感染が喉頭蓋に起こる「急性喉頭蓋炎」は、入院して治療をしないと命にかかわることがあります。

受診のタイミング

咳のために呼吸が苦しく眠れないときは、なるべく早く医療機関へ。顔色が悪い、吐くといった症状が現れた場合は、夜間、休日でも医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかで寝かせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。
食事 咳がひどいときは吐きやすくなるので、咳が収まっているときに少しずつ与える。水分補給を十分に行う。
医師に処方された薬を正しく服用する。
入浴 熱が下がりきるまでは温かい濡れタオルで体を拭く。
咳へのケア 横になると咳がひどくなるときは、上半身を起こして休む。室内の湿度を60〜70%に保つ。湯気や蒸気のあがる場所(シャワーを浴室の壁にあてながら、など)で呼吸させると楽になる。加湿器があるときは使用する。
百日咳

特徴的な症状

【はげしい咳込み】【熱がある】【ヒューヒューゼーゼー苦しそう】

百日咳菌による、激しい咳を特徴とする感染症です。
初期症状は、鼻水、微熱などで始まりますが、続けざまに10回以上「ケンケンケンーーー」と咳がでて、その後に大きく息を吸い込むという独特の咳発作(レプリーゼ)が続きます。
咳によって腹圧や脳圧があがり、顔は真っ赤に充血し、結膜出血や、まれに脳出血がおこることもあります。乳児、特に6か月以下では、咳ではなく突然の呼吸停止がおきることがあり、命にかかわることがまれではありません。すぐに入院して、抗生物質療法や、乳児では酸素吸入などが必要になります。
3種混合の予防接種で予防できます。

受診のタイミング

予防接種(三種混合)を受ける前で、百日咳特有のレプリーゼが見られる、呼吸がつまる場合は、ただちに救急車で医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかで寝かせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。
食事 咳がひどいときは吐きやすいので、咳の軽いときに少量ずつ与える。水分補給を十分にする。
医師に処方された薬を正しく服用する。
入浴 お風呂にいれてもかまわない。
咳へのケア 横になると咳がひどくなるときは、上半身を起こして休む。室内の湿度を60〜70%に保つ。湯気や蒸気のあがる場所(シャワーを浴室の壁にあてながら、など)で呼吸させると楽になる。加湿器があるときは使用する。
肺炎

特徴的な症状

【熱がある】【はげしい咳込み】【全身倦怠感(ぐったり・だるさ】

肺は、血液のガス交換が行われる肺胞と呼ばれる小さな部屋が、多数集まってできている臓器ですが、この多数の肺胞内に細菌が増殖すると肺炎になります。
肺胞だけでなく、気管支の粘膜にも炎症がおよびます。
症状は多量の痰を伴う激しい咳と高熱です。感染による炎症が肺の表面にまで及ぶと、胸膜(肋膜)に水がたまり、胸の痛みを伴う胸膜炎(肋膜炎)を起こします。水分で満たされた肺胞に空気が入るときの雑音を、聴診器で聞くことで診断ができます。
かぜをこじらせて肺炎になるとよく言われますが、かぜはウイルス感染、肺炎は大部分が細菌感染ですので、異なった病気です。

受診のタイミング

なるべく早く医療機関へ。高熱でボーッとしている、咳がひどくて眠れない、呼吸が苦しそう、吐く、食事がとれない、ぐったりしているといった症状が現れた場合は、夜間、休日でも医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかで寝かせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。
食事 熱が高く食事ができないときは、水分補給を少量ずつ行い、解熱剤で熱が下がったときに、おかゆなど消化のよいものを。
解熱剤は必ず医師の指導に従って用いる。解熱剤で熱が下がることで病気が治るわけではない。食事や睡眠がとれて、体力が早く回復するために、計画的に使用する。
咳へのケア 横になると咳がひどくなるときは、上半身を起こして休む。室内の湿度を60〜70%に保つ。湯気や蒸気のあがる場所(シャワーを浴室の壁にあてながら、など)で呼吸させると楽になる。加湿器があるときは使用する。
※このコーナーは下記「ご利用について」をお読みになり、同意の上お使いください。
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〜ご利用について〜
このコーナーは、直接の問診、触診、聴診などの診療行為なしに行われる、小児科医による、一般的な医療情報の提供および助言です。
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