けいれん

症状別、病名別などで、赤ちゃんの気になる病気の小児科医による説明・アドバイスが読めるページです。


● 熱がある

熱性けいれん髄膜炎

● 赤い発疹

突発性発疹症

● 嘔吐

髄膜炎急性脳症

● 白っぽい下痢

ロタウイルス感染症

● 頭痛

髄膜炎急性脳症脳腫瘍

● 耳の下の腫れ

流行性耳下腺炎

● 「けいれん」のみ

急性脳症てんかん

髄膜炎

特徴的な症状

【熱がある】【頭痛】【嘔吐】

脳と脳を包んでいる膜の間(くも膜下腔)で、細菌が感染を起こすと、髄膜炎が発症します(細菌性髄膜炎)。
高熱、頭痛、けいれん、意識障害が主要な症状です。インフルエンザ桿菌、髄膜炎菌、ブドウ球菌など様々な菌が髄膜炎を引き起こします。
大量の抗生物質で治療しますが、治療にもかかわらず生命にかかわったり、てんかん、四肢の麻痺、難聴などの後遺症を起こすことも多い病気です。また、エコーウイルスや、ムンプスウイルス(おたふくかぜのウイルス)などのウイルスも髄膜炎を起こしますが(ウイルス性髄膜炎)、こちらは症状も軽く、治療しなくても自然治癒します。

受診のタイミング

吐いて意識がもうろうとしている場合は、ただちに救急車で医療機関へ。

ホームケア

活動度 入院を原則とする。
退院後の生活 特に制限はなく、通常の生活でよい。細菌性髄膜炎で、治療が遅れた場合には、後遺症が残ることがある。
けいれんへのケア 体を揺すったり大声で呼んだりしない。
口にタオルを入れるのは、窒息の危険があるので禁物。
吐いたときに窒息しないよう、顔を横向きにし、できるだけ静かに寝かせる。
けいれんがどのぐらい続いているかを、時計で測ることもとても大切なこと。
けいれんが長く続く場合や、けいれんがおさまっても意識が回復しない、呼吸がおかしい場合には、すぐに救急車を呼ぶ。
急性脳症

特徴的な症状

【意識もうろう】【けいれん】

多くの場合、かぜやインフルエンザなどのウイルス感染症になってから数日して、急に激しい嘔吐、けいれんや意識障害を起こす脳の病気です。
はっきりした原因は分かっていませんが、ウイルス感染による炎症によって作られた物質が脳に働いて、急速な脳のむくみ(浮腫)が生じる状態です。
むくんだ脳によって、生命の中枢である脳幹部が頭蓋骨に圧迫され、命にかかわることがあります。アスピリンなどの解熱剤の一部は、脳症の発症と関連があると言われ、小児では、アスピリンは使用されなくなりました。

受診のタイミング

意識もうろう、けいれんの症状がある場合は、ただちに救急車で医療機関へ。

ホームケア

活動度 入院治療が必要。
退院後の生活 退院後の生活の制限はない。後遺症が残った場合は、医師や作業療法士などと連携しながら、リハビリを続ける。
熱性けいれん

特徴的な症状

【熱がある】【意識もうろう】【けいれん】

かぜなどのウイルス感染症で高熱がでたときに、短時間の全身けいれんを起こす、乳幼児期に特有な神経の病気です。
15人に1人くらいの子どもが熱性けいれんを経験するといわれており、子どものけいれんの原因で一番多いものです。一生に1回しかけいれんを起こさない子どももいますが、3分の1は、2回以上起こします。
脳波検査などでも異常はなく、学齢期になるまでに自然に治ってしまいます。熱性けいれんになりやすい体質は遺伝します。繰り返してけいれんを起こす場合には、抗けいれん薬の座薬で予防することができます。

受診のタイミング

はじめての場合は、診断のため、なるべく早く医療機関へ。二度目以降は、家で経過をみていてよい。15〜20分以上続く場合には、夜間、休日でも医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかで寝かせる。
食事 けいれんが収まってからは、通常の食事で構わない。
けいれん防止用座薬を処方されることがある。医師の指導に従って、正しく使用する。
けいれんへのケア 体を揺すったり大声で呼んだりしない。
口にタオルを入れるのは、窒息の危険があるので禁物。吐いたときに窒息しないよう、顔を横向きにし、できるだけ静かに寝かせる。
けいれんがどのぐらい続いているかを、時計で測ることもとても大切なこと。
通常は数秒〜数分でおさまるが、それ以上続く場合や、けいれんがおさまっても意識が回復しない、呼吸がおかしい場合には、すぐに救急車を呼ぶ必要がある。
流行性耳下腺炎

特徴的な症状

【耳の下の腫れ】【熱がある】【腹痛】

「おたふくかぜ」の俗称がある、ムンプスウイルスの全身感染症です。
特に耳下腺などの唾液腺や、すい臓、精巣などにウイルスが行きやすく、耳下腺の腫れ、微熱などの主要症状に加えて、腹痛(膵炎)、睾丸の腫れなどの症状が出ます。高い確率で軽い髄膜炎を起こし、強い頭痛、嘔吐、首の部分の硬い張りなどの症状が現れます。
予防接種で予防できます。

受診のタイミング

家で経過をみましょう。診断をつけるために、診療時間に医療機関へ。頭痛や嘔吐の症状が現れた場合は、なるべく早く医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかでおとなしく過ごさせる。保育園・幼稚園には医師の許可が出てから通う。
食事 耳下腺が腫れ、痛くて食べられないときは、脱水症状を避けるために水分を少量ずつ与え、食事はかまずに飲み込めるようなものを。
医師に処方された薬を正しく服用する。
入浴 高熱、頭痛がひどくなければ入浴可能。
腫れへのケア 腫れが痛むときには、冷やしたタオルをあてると痛みがやわらぐ。
ロタウイルス感染症

特徴的な症状

【白っぽい下痢】【嘔吐】【熱がある】

子どもに激しい下痢と嘔吐を起こすウイルスは何種類もありますが、その中で最も多いのがロタウイルス感染症です。
冬に流行る冬季下痢嘔吐症の一つです。最初は頻繁な嘔吐で始まり、引き続いて下痢が起こります。
白い米のとぎ汁のような下痢便になります。腹痛はあっても通常軽いですが、嘔吐と下痢で体の中の水分と塩分が急速に失われ、脱水状態になります。脱水が続くとぐったりし、皮膚の張りが失われたり、尿がでなくなります。まれに、けいれんを起こすことがあるのも、ロタウイルス感染症の特徴です。抗生物質は効きませんが、水分補給を十分行えば、自然に治癒する病気です。

受診のタイミング

月齢が低いほど、嘔吐で脱水症状になりやすいので、診療時間に医療機関へ。脱水症状が見られる場合は、早めに医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかでおとなしく過ごさせる。保育園・幼稚園には症状が消えてから通う。
食事 吐き気、下痢がひどいときは、無理に食べさせず、水、お茶、乳幼児用イオン飲料など水分の補給を少量ずつ行い、衰弱がひどいときには点滴を受ける。柑橘系ジュースや牛乳は、吐き気、下痢をひどくすることがあるので避ける。
特に必要ないが、医師に処方された薬は正しく服用する。
下痢へのケア おむつは汚れたら取り換え、おしりを清潔に保つ。回数が多いときはシャワーでおしりを流すのもよい。トイレに行ける子は、親が便の様子をきちんと観察する。
てんかん

特徴的な症状

【けいれん】【意識もうろう】

脳内の神経細胞が、突然異常興奮状態になり、そのために体の一部や全身のけいれんや意識障害が起こるものです。
脳炎や髄膜炎、脳出血などの脳疾患に引き続いて起こるもの(症候性てんかん)と、そうした原因のないもの(特発性てんかん)に分かれますが、子どもでは後者が圧倒的に多くなっています。
けいれんの頻度は一日に何十回も繰り返すものから、数年に1度というものまでさまざまです。
脳波検査を行うと、てんかん波と呼ばれる異常な波が観察されます。
抗てんかん薬の服用で、7割くらいの患者さんで発作の軽快が得られます。

受診のタイミング

はじめての場合は、診断のため、なるべく早く医療機関へ。てんかんの診断を受けている場合は、いつもの発作でおさまるのが分かっている場合は、家で経過をみていてよい。
てんかんけいれんをおこす、30分以上続くといった症状が現れた場合には、ただちに救急車で医療機関へ。

ホームケア

活動度 てんかん発作があることで、生活や登園・登校の制限をする必要はない。
医師が処方した薬を、根気よく服用する。発作が起きなくなっても、勝手に薬を中断したり不規則に服用すると、発作が再発するので、時間をかけて薬を減量していく。
けいれんへのケア 体を揺すったり大声で呼んだりしない。
口にタオルを入れるのは、窒息の危険があるので禁物。吐いたときに窒息しないよう、顔を横向きにし、できるだけ静かに寝かせる。
けいれんがどのぐらい続いているかを、時計で測ることもとても大切なこと。
通常は数秒〜数分でおさまるが、それ以上続く場合や、けいれんがおさまっても意識が回復しない、呼吸がおかしい場合には、すぐに救急車を呼ぶ必要がある。
脳腫瘍

特徴的な症状

【頭痛】【嘔吐】【意識もうろう】【けいれん】

脳内の神経細胞に生じた腫瘍細胞が急速に増殖し、そのために、
(1)腫瘍化した部分の脳機能の低下・消失
(2)腫瘍の増大による脳の圧迫による症状がでます。
小児では小脳や脳幹部の腫瘍が多く、ふらつき(失調)、眼球運動の異常など、小脳、脳幹部の機能障害が最初の症状としておこる場合があります。
腫瘍の拡大による症状としては、頭痛、嘔吐があります。けいれんが起こることもあります。
治療は腫瘍の外科的な摘出、切除ですが、腫瘍の場所や種類によっては抗がん剤による化学療法が行われます。

受診のタイミング

繰り返しけいれんをおこす場合などは、検査のために医療機関へ。

ホームケア

活動度 入院治療が原則。
退院後の生活 医師の指示に従って、少しずつ通常の生活に戻る。定期的に検査を受け、再発の有無をチェックする必要がある。
突発性発疹症

特徴的な症状

【熱がある】【赤い発疹】【頭痛】

ヘルペスウイルス6型あるいは7型による全身感染症。乳児期に最初に出る高熱は、突発性発疹症による場合が多いものです。
症状は、軽い鼻水や下痢と3〜5日続く発熱です。のどの粘膜に特徴ある炎症が見られることがあり、それが診断の助けになります。
解熱後、全身に細かい赤い発疹が出現するのが特徴で、診断を確定することができます。
高熱のわりに重症感はなく、食欲や機嫌もよいことが多く、この発熱で、初めて熱性けいれんを起こす乳幼児も多いようです。

受診のタイミング

高熱があっても元気なら、熱性けいれんを注意しながら家で経過をみてよいが、心配なら診療時間に医療機関へ。

ホームケア

活動度 家のなかでおとなしく過ごさせる。保育園・幼稚園には症状が消えてから通う。
食事 普通食でよいが、油っぽいもの、お菓子などは避け、胃腸に負担の少ない、消化のよいものを。
解熱剤は必ず医師の指導に従って用いる。
入浴 熱が下がりきるまでは温かい濡れタオルで体を拭く。
その他 高熱のわりには元気だが、熱性けいれんを起こす心配があるので、熱の上がりぎわは注意深く観察する。
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