赤ちゃんとママ社編集部 ※この記事は、『月刊赤ちゃんとママ』2011年9~11月号の「季節のLife&Care」の記事をもとに再編集しています。

知っておきたい! 予防接種のこと

わが子だけでなく周囲のためにも

 予防接種はたくさん種類があってよくわからないし、「副反応」という言葉に不安になるという方も少なくないかもしれません。そもそもなぜ、予防接種が必要なのでしょうか? 予防接種は、病気に対する免疫をつくり、わが子が感染症にかからないようにするだけでなく、重い感染症の流行からまわりの人や社会を守るという2つの大事な役割があります。 予防接種には、一定の年齢になったら受けることが望ましいと法律で定められている「定期接種」と、それ以外の「任意接種」があります。定期接種は、指定期間内であれば無料で受けられることが多く、四種混合(DPT:ジフテリア、ポリオ、百日咳、破傷風)、BCG、ポリオ、麻しん・風しん混合、ヒブ、小児肺炎球菌、水痘が含まれます。これまで任意接種だったB型肝炎は2016年10月から、2016年4月以降に生まれた乳児を対象に定期接種になります。 「任意接種」は、受けるかどうか保護者が選択することができる予防接種で、ロタウイルス、おたふくカゼ、インフルエンザなどが対象です。費用は自己負担が基本ですが、自治体によっては補助が出ることもあります。 接種時期になると、自治体から予防接種の冊子や予診票が送られてきます。いつ何を受けるか、接種の時期や種類、副反応を確認しましょう。適切な時期に受けられるよう、あらかじめスケジュールを組んでおくといいですね。ただ、赤ちゃんは体調をくずしやすいので、予定どおりに受けられなくてもあせらないで。かかりつけ医に相談しながら予定を立て直しましょう。

接種当日の注意点は?

当日の朝に体温を測り、食欲はあるか、せきがないかなど普段どおりの体調かどうかを観察して、予診票に記入しておきます。接種前に診察があるので、心配なことがあれば医師に相談しましょう。診察で異常が見られなければ接種となります。 必要な持ち物は母子健康手帳、予診票、保険証(乳児医療証)など。ミルクや飲み物もあるといいですが、泣いて吐いてしまうことがあるので、接種の30分前には飲ませ終えましょう。服装は、注射する上腕が出しやすい洋服がおすすめです。接種後は副反応などのようすをみるため、最低30分は会場内にいてください。このとき、お気に入りのおもちゃがあると便利ですよ。帰宅後は普段どおりの生活でかまいません。接種日の入浴も基本的にはOKですが、心配であれば医師に聞いておくといいでしょう。

 

冬に向けて、薄着の習慣を

薄着の習慣づけに最適の時期です

 涼しくなると、つい厚着をさせてしまいがちですね。ですが涼しくなった今こそ、薄着の習慣をつけるのに最適な時期。冬に向かって、カゼに負けない丈夫なからだをつくるチャンスです。 そもそも赤ちゃんは、新陳代謝が盛んで、体重1kgに対して大人の2倍もエネルギーを必要とするので、大人より体温が高くなります。この熱を皮膚から放散しようとするため、大人と同じ枚数の服を着ると汗をかいてしまいます。ですから、赤ちゃんが自分で動けるようになったら、大人より1枚少なくしたり、腕まくりをする、長ズボンを半ズボンやロンパースにするなど、くるみすぎない工夫をしてあげるといいでしょう。着脱しやすいカーディガンなど羽織ものがあると便利です。まだ寝返りをうつまえの赤ちゃんであっても、その日の気温や室温にあわせて、くるみすぎないようにしてあげてください。

 

薄着は丈夫なからだをつくります

薄着になると、皮膚で寒さを感じられるので自律神経の発達が促されます。それにより気温の変化に適応する力がつくだけでなく、カゼに対する抵抗力も高まります。さらに、薄着だとからだをスムーズに動かせるのでケガをしにくく、また活発にからだを動かして遊べるため、身体機能も発達します。 薄着だと「カゼをひくのでは?」と心配になるかもしれませんが、カゼの直接の原因は寒さではなくウイルスや細菌に感染することです。ただ、睡眠不足や疲れなどで体調がくずれたときには、寒さと乾燥のせいでウイルスや細菌に負けてカゼをひくことがあるので、体調管理には気をつけましょう。薄着の習慣づけと並行して、「早寝早起き」「からだを十分に動かして遊ぶ」「食事のバランスを整える」などに気をつけることで、少しずつ丈夫なからだになっていきます。冬から薄着にするのは難しいので、多少の暑さが残る今から、無理なくチャレンジしていきましょう。

嘔吐や下痢をしたときは

おうちでのケアは脱水症に注意

11月ころから2月にかけて、ウイルス感染による胃腸炎が流行します。なかでも、赤ちゃんが一度はかかるといわれる口タウイルスが原因の嘔吐や下痢は、よく見られるもの。突然吐いて、水のような下痢が続きます。吐いたときは、吐いたものが気管に入らないよう、顔を下か横に向かせてあげましょう。汚れたものはすぐ片づけ、口の中もガーゼなどできれいにします。それから水分を補って脱水症にならないようにすることが大事です。ただ、吐いたあとすぐ飲ませると、その刺激でまた吐くことがあるので、まずは30分から1時間、何も飲ませずにようすをみて、吐かないことを確かめてからさ湯を与えましょう。最初は1~2さじから、いやがらなければ1回に与える量を少しずつふやしていきます。それで問題がなければ、母乳は欲しがるだけ与え、ミルクは少しずつふやしてようすをみながら元の量に。離乳食を始めているならうすめのおみそ汁が水分と適度な塩分をとるのに適しています。野菜を煮こんで少しの塩で味をつけたスープなどもいいですね。食事はおかゆやうどんのくたくた煮、おじやなど、消化のいい温かいものを。下痢が落ち着いてきたら、ようすをみながら元の食事に戻していきましょう。ただ、糖分の多いジュースやベビー用ではないイオン飲料は、下痢を悪化させるので控えてください。

家族への感染も防ぎましょう

ウイルスによる胃腸炎は感染力が強く、うつりやすいものです。吐いたものや便を処理するときは、使い捨てのビニールやゴムの手袋をしましょう。処理が終わったら流水と石けんでよく手を洗います。汚れた衣類やシーツは、必ず家庭用漂白剤に十分つけてから、ほかのものと別にして洗いましょう。漂白剤につけられない衣類やふとんなどは、熱湯をかけてから洗濯し日光に干すか、アイロンをかければOKです。

観察メモをつけておくと役立ちます

 嘔吐や下痢がひどい場合はかかりつけ医を受診してください。受診時のために、赤ちゃんのようすをメモしておくといいでしょう。特に発熱の有無や、嘔吐・下痢が「いつから・何回・どんなものが混じっていたか」といった状態などは、必ずメモして。医師に聞きたいことも書いておくと診察時間を有効に使えます。 そのほかの観察ポイントは、顔色・機嫌・せき・鼻水、おしっこの量・色・回数、飲んだり食べたりしたものや量など。特に注意したいのは「おしっこの量が少ない」「おしっこの色が濃い」「唇が乾いている」という脱水の症状です。そうしたようすが見られたら、すぐ受診しましょう。