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<赤ママメッセージ>
ママ パパへ!
新しい命が宿ったとき、新たな生活がスタートします。
そしてこの時期は、からだをととのえることが一番大事でもあります。
パパもママのからだやこころをととのえる為にも、しっかりと歩み寄り理解することが必要です。
これから生まれてくる子どもの為にもしっかりコミュニケーションをとりましょう!

そして、これから新しい命を・・と考えているママ、健全な妊娠期を送る為にも日々の健康管理には十分気を付けて、健康診断は受けるようにしましょう!

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これまでと同じで大丈夫? Q&A

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妊娠を機にタバコをやめたいと思うのですが、やめられるか自信がありません。本数を減らしてもダメですか?

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タバコはやめましょう

タバコはママにも赤ちゃんにも大きな影響を及ぼします。タバコに含まれるニコチンは、血管の収縮を促して血流を悪くし、赤ちゃんに十分な酸素が届かなくなります。また、煙に含まれる一酸化炭素は、血液中の酸素濃度を低下させます。周囲の人のタバコの煙を吸う受動喫煙でも同様です。流・早産や前期破水、常位胎盤早期剥離、胎盤機能不全(第10章参照)などを引き起こすおそれのあるタバコは「百害あって一利なし」。スッパリとやめましょう。もちろんパパも禁煙を。


お酒を飲むことがストレス発散です。少量でも赤ちゃんに影響しますか?

アルコールは赤ちゃんに届いてしまいます

お酒(アルコール)を摂取すると、胎盤を通じて赤ちゃんに届きます。赤ちゃんはアルコールを分解できないので、そのまま体内に残ることになります。毎晩のようにママがお酒を飲んだ場合、脳や神経に異常が出る胎児性アルコール症候群の赤ちゃんが生まれる確率が高くなります。ですので、禁酒するに越したことはありません。最近はノンアルコール飲料も増えているので、そういったもので代用するか、お酒以外にストレス発散できることを探しましょう。


日頃から胃の調子が悪く、病院にかかっています。処方された薬なら、飲み続けても問題ないですか?

産科医に確認して

妊娠中、特に妊娠初期は、赤ちゃんへの薬の影響が心配される時期です。産科医に症状と薬の名前を告げて、飲み続けても大丈夫かどうかを確認しましょう。医師の指示で、それまでと異なる薬を処方されることもあります。


妊娠したら顔にソバカスが目立つように。出産後には、元に戻りますか?

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だいたい目立たなくなりますが、そのまま残ることも

妊娠中は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が多くなり、同時に、シミやソバカス、色素沈着(黒ずみ)の原因となるメラニン色素も多くつくられます。そのため、顔のシミやソバカスが出てきたり、乳輪や外陰部、正中線(へその上下にできる線)が茶色くなってきたりします。出産後に目立たなくなることもありますが、そのまま残ることもあります。


性生活はいつごろまで大丈夫?
注意することはありますか?

十分注意して、
異常があったら診察を

いつまで大丈夫という線引きはありません。ママのおなかを圧迫するような体位や深い挿入は避け、短時間で行うなど、十分注意しましょう。精液中には子宮を収縮させる物質があり、また雑菌が入らないようにするためにもコンドームを使用しましょう。セックス後に、おなかの張りがおさまらない、出血が止まらない、破水した感じがするなどの場合は受診しましょう。


出産後は無理だと思うので、海外旅行をしたいのですが、長時間飛行機に乗るのは無理ですか?

できれば国内旅行が安心

安定期までは、長時間の飛行機利用は避けた方が無難です。旅行前にはかならず医師の診断を受け、相談しましょう。妊婦の搭乗には各航空会社でさまざまな規定があるので、事前に調べておく必要があります。また、飛行中だけでなく旅先で万一のことがないとは断言できません。できれば国内旅行にし、医療機関が近くにある宿泊先を選ぶのが安心です。


好きなバンドのコンサートに行きたいのですが、大音量のところは赤ちゃんによくないでしょうか?

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会場の環境を十分考え
体調とも相談して

音そのものは特に問題ないでしょう。それよりも、コンサート会場までの交通機関の利用や、会場での人の出入りなどに気をつけるべきです。コンサートには多くの人が集まります。そういった場所で人とぶつかったり、具合が悪くなったりすることが心配です。また、妊娠中はトイレが近くなるため、会場のトイレの長蛇の列に並ばなければならないこともあります。体調とよく相談をして、無理のない範囲で楽しんでください。


温泉に行きたいのですが、温泉の成分が皮膚を通って赤ちゃんに影響することはありますか?

成分自体が影響することは
ありません

温泉の成分が赤ちゃんに直接影響を与えることはありません。昔は、「妊婦は温泉禁止」が慣習となっていたので、年配のかたからは入浴を止められることがあるかもしれませんが、そのことに科学的な根拠はありません。ただ、温泉のみならず自宅のお風呂でも、水分補給に気をつけ、長時間の入浴で湯あたりするのは避けましょう。また、おなかが大きいと、足元が見えづらくて滑ってしまう危険もありますので、十分注意してください。


髪を染めています。
妊娠中も染めていいでしょうか。

ママ自身の皮膚トラブルに注意を

パーマやカラーリング液の成分がママの
体内に入って、おなかの赤ちゃんに直接影響を及ぼすとはほとんど考えられていません。ただし、妊娠中は皮膚が敏感になっているため、カラーリング液で頭皮がかぶれるなどのおそれがあります。刺激の少ないものにしてもらうなどしましょう。また、特有のにおいで気分が悪くなったり、洗髪のときの姿勢がつらかったりすることもあるので、妊娠中期の体調のよいときに美容院に行き、その後お手れしなくてもあまり気にならないような色に染めてはいかがでしょうか。


仕事でパソコンを使います。
赤ちゃんに電磁波の影響があると聞いたことがありますが、本当ですか?

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まだ十分にはわかっていません

電磁波が赤ちゃんによくないというのはよく聞く話ですが、十分には解明されていません。仕事でパソコンを常時使っていたことが原因で、赤ちゃんに異常が出ることはないと考えていいでしょう。電化製品に取り囲まれている現代の生活では、電磁波をすべてシャットアウトすることは難しいかもしれません。気になる場合は、できるだけ電化製品から離れて生活しましょう。具体的には、ホットカーペットや電気毛布など直接肌に触れるものは使用しない、パソコンや携帯電話、スマホの使用は短時間にする、電子レンジを使用しているときはそばにいないようにする、などです。


コーヒーが好きで毎日3~4杯は飲んでいます。カフェインは赤ちゃんによくないのでしょうか?

大量に飲むのは禁物!
できればノンカフェインで

カフェインは大量に摂取すると、血管が収縮して血流が悪くなり、赤ちゃんに十分な酸素が行き届かないことも起こりえます。コーヒーや紅茶は1日1杯程度にして、できればノンカフェインの飲み物に切り替えましょう。また、カフェインには利尿作用があり、不眠の原因にもなるので、妊娠中はなるべく避けた方がいいでしょう。


買い物にはいつも自転車を使っています。気をつけて乗れば大丈夫ですよね?

万が一を考え、ほかの方法を

たしかに大きなおなかで、重い荷物を手で運ぶのは大変です。つい、便利で乗り慣れている自転車に乗りたくなりますね。でも、万が一転倒したらどうでしょう。後悔先に立たず。遠くても歩ける距離なら運動がてら歩いて行き、荷物はカートなどに入れて運びましょう。それが無理な場合は、買い物をお願いできる人がいればお願いしたり、生協やネットスーパーのような宅配を利用したりするといいでしょう。


交通手段がないので車を使っています。車の運転はいつごろまで大丈夫ですか?

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運転しづらくなってきたら
やめましょう

妊娠後期になると、おなかが大きくなり運転がしづらくなってきます。それまでは基本的に大丈夫です。気をつけてほしいことは、安全運転はもちろんですが、おなかが大きくてもシートベルトをするということ、乗り降りの際にハンドルにおなかをぶつけないようにすることです。シートベルトは、おなかの上ではなく、おなかの下部の骨盤を固定させるような位置に装着します。長時間の運転は避け、休憩をとりながら無理なく運転しましょう。


夫の転勤で引っ越しをします。
注意することはありますか?

できれば妊娠中期までに
なるべく疲れない方法で

どうしても引っ越さなければならない場合は、できるだけ妊娠中期に行えるように調整したいものです。荷造りは大変ですが、休み休み、無理のない範囲で行ってください。業者によっては、荷造り・荷解きのほとんどをやってくれるところもあるので、費用はかさみますが、検討してはいかがでしょう。ママが疲れないことが一番大切です。引っ越し当日は、アゴは使っても、手足は出さないでください。


歯の治療のためレントゲンを撮る場合、赤ちゃんに影響はありますか?

かならず医師に妊娠を
伝えましょう

レントゲン(X線)撮影が必要な場合、医師に妊娠していることを伝えましょう。通常、防護エプロンでおなかを守るようにして撮影しますので、心配しなくても大丈夫です。最近は、デジタルレントゲンといって、被ばく線量が通常の4分の1程度になる機械を導入している歯科もあります。


毎年乳がん検診を受けています。
妊娠中でも受けていいでしょうか?

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妊娠中はマンモグラフィー検査は
行いません

乳がん検診には、触診とマンモグラフィー検査、超音波検査があります。乳房を圧迫してX線撮影するマンモグラフィーは、妊娠中の被ばくを極力避ける、乳房の圧迫によって子宮の収縮が起こるのを避けるため行いません。超音波は可能ですが、妊娠中は乳腺が発達しているため、正確な検査ができない可能性もあります。妊娠時期にもよるので、医師に相談してみましょう。


日頃からお風呂に入浴剤を入れたり、お風呂上りにからだにオイルを塗ったりしています。大丈夫でしょうか?

肌トラブルが起こることも。
医師に相談すると安心です。

妊娠中のストレス解消として、バスタイムを楽しみにしているママも多いようです。入浴剤は基本的にOKですが、妊娠中は肌が敏感になっているので、それまで使用していたものでも肌にトラブルが生じることもあります。入浴剤やオイルはできるだけ低刺激のものを選びましょう。発汗作用が強いものや香りが強すぎるものは避けます。気になるようなら医師に確認をして使うといいでしょう。


家で掃除をしていて家具におなかをぶつけてしまいました。痛みはありませんが、受診したほうがいいでしょうか?

様子を見て、気になるようなら
受信を

ぶつけたあと、おなかに痛みも張りもなく、出血などもなければ、様子を見ていいでしょう。おなかが大きくなってくると、思わぬところでぶつけてしまうことがあるので注意しましょう。動くときには、おなかに手を当てておくようにすると安心です。また、2人目以降の妊娠で、上の子がいきなり抱きついてきたり、横になっているママに乗っかってきたりすることもあるかもしれません。思いがけずおなかへぶつかってくるものには注意しましょう。


花粉症がひどく、例年1月ごろから市販薬を飲んでいます。大丈夫?

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かならず医師に確認を

妊娠初期はどんな薬でも赤ちゃんへの影
響が気になりますので、自己判断で薬を飲まないようにしてください。いつも飲んでいる薬を服用しても大丈夫か、かならず医師に確認を。産婦人科で抗アレルギー薬や点鼻薬、点眼薬などを処方してくれる場合もあります。花粉が飛ぶ時期より早い段階からマスクを使用する、できるだけ外出を控える、手洗い・うがいなどをする、室内に花粉除去ができる空気清浄機を置くなどして乗り切りましょう。


電車通勤をしています。電車がかなり揺れるので、ちょっと心配です。

可能なら、通勤方法や
時間帯の変更も

電車通勤では、揺れはもちろん、混雑時にはほかの人との接触も気になりますね。できるだけ座ることができるよう、時間帯をずらしたり、始発駅から乗ったりするようにしましょう。通勤方法や時間の変更を希望する場合は会社に申し出ましょう(108ページ参照)。立っていくしかない場合、揺れたらどこかにつかまることができるような位置に立ち、持ち物はリュックなどにして両手を常に自由にしておくと安心です。スニーカーなど、転倒しにくい靴を選びましょう。


仕事柄、ワンピースやゆったりしたマタニティウエアなどは着られません。
どうしたらいいですか?

締めつけない、冷えない工夫を

妊娠したらマタニティウエアを着なけれ
ばならないということはありません。最近は、見た目には普通の洋服と変わらないマタニティ用の通勤服なども多く出ていますので、利用してもいいでしょう。職場では見た目も大切かもしれませんが、重要なのは、からだを締めつけないことと、冷えないようにすることです。おなかが冷えないようにマタニティガードルを使用したり、タイツをはいたり、膝掛けを使ったりなど、職場に合った冷え対策を心がけて。


残業が多い職場に勤務しています。残業をしないわけにはいかず、夫には仕事をやめろと言われました。
どうしたらいいでしょうか?

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職場とも、家族とも話し合いを

あなたの今の気持ちを十分パートナーに
理解してもらいましょう。また、出産後に同じように働き続けられるかどうか、そのあたりもよくご夫婦で相談した方がいいでしょう。労働基準法では、妊産婦には原則「1日8時間、週40時間」を超えての労働をさせてはいけないことになっています。このことも含め、職場ともよく相談することが大切です。


先日、高い戸棚の戸を開けようとしたら姑に怒られました。
背伸びしてはいけませんか?

できるだけ家族に助けて
もらいましょう

昔から妊婦が背伸びをすると、へその緒が赤ちゃんの首にからまるとか、流産するとかいわれることがあり、おそらくそれを心配されたのだと思います。実際にそのようなことはほぼないと考えていいのですが、物を取ろうとして背伸びをする場合、よろけて思わず転倒してしまう危険があります。また、おなかに力が入るせいで、おなかに痛みを感じる場合もあります。高い所の物は家族に取ってもらうようにしましょう。


インフルエンザの予防接種を受けてもいいのでしょうか?

まずは人ごみを避けましょう

妊娠中にインフルエンザにかかると重症化しやすいため、注意が必要です(39ページ参照)。インフルエンザの予防接種は、病原性をなくした不活性ワクチンなので、ママが接種してもおなかの赤ちゃんへの影響はほとんどないといわれています。ですので、ぜひ予防接種を受けてください。ただ、予防接種をしていてもかかる場合もあるので、不用意に人ごみにはいかない、外出時はマスクをする、手洗い・うがいをしっかりする、十分な睡眠をとる、部屋を加湿するなど、通常のインフルエンザ予防も確実に行っていただきたいと思います。